【鬼滅の刃】不死川の継子の物語【不死川実弥】 (ページ17)

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16話ページ17

〜you're side〜

師範と久しぶりに晩御飯を食べて、昔のことを思い出した。

最終選別から帰ってきたその日、4体しか鬼を倒せなかった私に、よくやった。と師範は褒めてくれた。珍しく。

最終選別に師範がお守り(本人は予備と頑なに言って聞かないが)は今でも持っている。

選別中、震えがどうしても止まらなかった。
甘く見ていた。鍛錬した私なら鬼を簡単に倒せると思っていた。

現実はそう簡単には進まない。

脳は、あの日村を襲った鬼の恐怖を覚えていた。

どれだけ落ち着こうとしても、刀を持つ手が、
胸が、恐怖でひたすらに震えていた。

山のあちこちから悲鳴が聞こえた。
まるで、あの日の村のようだった。

その場から動けずにいた私の足元に、
ゴトッと懐から短刀が滑り落ちた。

拾い上げた瞬間、不思議なことに手の震えは止まっていた。

「ちゃんと帰ってこいよ」

出発する前、師範が私にかけた言葉が頭によぎった。

『そうだ、私は師範の元に帰らなくちゃ。
あの人を守るって決めたんだから』

震えが止まってからは無我夢中だった。

襲ってくる鬼の攻撃を必死に避けて隙を探って反撃をする。

師範に教わったことを最大限に引き出して、
とにかく技を連発した。

死に物狂いでそうして私は最終選別を生き抜いた。