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No.63【Taehyung Side】 ページ14

嘘だ…絶対嘘だ。
俺の頭の中はずっとその言葉がループしている。
目の前にいるAヌナは俺達の知ってるヌナのはずなのに、俺達の知らないヌナだった。





「…ヌナだよね…?Aヌナだよね?!」








「…あたしはAですが、あなた方のヌナではありません。」








確かめるように聞いた俺の質問は、その言葉によってガラガラと音を立てて砕けた。
俺は全身に力が入らなくなって、膝から崩れ落ちた。









“…やっぱり思った通りだった。”
そんな風に思う自分と、
“これは何かの間違いだ。”
と、現実から目を背ける自分がいる。
もう考える事が出来なくなり、ぼーっとヌナの足元を見ていても、ヌナは何も声をかけることなく、ただ俺を見下ろしていた。
その目がとても冷たくて、俺は悲しくなった。









JM「…テヒョンア、大丈夫?」







床に座り込んで泣いている俺に、話しかけてくれるのはジミンだけ。
ヒョン達は信じられないという顔でAヌナを見つめてる。
ジョングクは1人、静かに泣いていた。









全部、嘘であってほしかった。
何か、悪い夢を見ている気分だった。
そのくらい、今起きていることを俺は理解出来ずにいる。
あれだけ、会いたかったAヌナ。
そのヌナは目の前にいて、俺達の前に立っているのに
その表情は俺達の知らないヌナだった。









「…やっと会えたと思ったのに…。」









自然と、そんな言葉が口から零れた。
そっとヌナの顔を見上げると、相変わらずの冷たい瞳と無表情な顔で俺を見下ろし、口を開いた。









「何かの勘違いでは?…あたしはあなた方と家族になった覚えはありませんので。」









…もうダメだ。
その言葉を聞いて、俺は瞬時にそう思った。
これ以上、目の前にいるヌナの顔を見て話していたら、二度と元に戻らない傷になってしまう。
俺だけでなく、俺たちみんなの。
だけど、帰りたいと強く願った俺の隣で、ジミンが拳を握るのが分かった。









あぁ。コイツはヌナAを救う気なんだ。
俺はもう、ダメだから頼んだよ。
隣でヌナを下から睨み上げるジミンは、涙を流していても今までで1番かっこよかった。









JM「Aヌナ!もう嘘を付かないでよ!!…お願いだよ…」









泣きながら、ジミンはヌナに話しかける。
そんな中で俺は、ヌナの後ろにいる男の人が不気味に笑うのを見た。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです! (2020年5月15日 10時) (レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます!ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです! (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました! (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます!!!!感激です…! (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘塩爺 | 作成日時:2019年12月27日 12時

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