No.61 ページ12
みんなと離れ離れになって、1ヶ月が経った。
その間あたしの中で少しずつ、感情の変化が起こっていた。
??「お疲れ様。今日もいい仕事をしてくれたね。」
「…お疲れ様です。」
毎日毎日、やりたくもない仕事に追われる日々。
会いたくても会えない家族。
あたしの身も身体もボロボロとなっていた。
??「ところで、明日君に会いたいという人達がいるんだけど、どうかな？」
「…どちらでも。」
生きる事が疲れてしまった。
毎日が苦痛で、だけど逃げ出すことは出来ない。
初めて出来た家族も、自分の力不足で手放す事になって。
…もう家族なんていらない。
そんな風に思うようになった。
もちろん、彼らのことを忘れた事はない。
だけど、きっともう彼らはあたしに嫌気がさしているだろう。
そんな事は安易に想像出来た。
…だったら傷付く前に、こちらから突き放さなくては。
??「…そうか。君もずいぶん変わったな。」
相変わらず彼は、あたしを不気味な笑顔で見つめる。
その笑顔に、何度吐き気を感じたことか。
憎くて、今すぐに消してやりたい。
あたしは感情を出すことがなくなった。
テレビや雑誌の撮影ではしっかり仕事をやるけど、普段は無表情になった。
生きる事を諦めたあたしにとっては、それが精一杯だった。
そしてそれは、彼も分かっている。
??「じゃあ明日はよろしく頼むよ。」
「…失礼します。」
今までのあたしは、小さい頃の“あたし”に殺された。
もう、何にも期待しないし、何にも絶望しない。
だからもう、何にも傷つかない。
そんな昔の、母がいた頃のあたしが出来上がった。
彼らには会う事がないから、これで十分だと思っていた。
ーーーーーー作者よりーーーーーー
あけましておめでとうございます！
更新、遅くなって申し訳ありません…
年末から初小説として出させて頂いたのですが
こんなにたくさんの方に読んでいただいて
本当に光栄な限りです！
2020年もどうぞよろしくお願い致します！！
更新遅くなります…
この作品が終わったら、新しいお話も考えているので
ぜひ読んでください！
これからもよろしくお願いします！
のあ
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みんぎ ARMY - のあさんの小説、好きです！ (2020年5月15日 10時) (
レス) id: 0f2332ca0a (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - さゆみさん» ありがとうございます！ぜひ他の作品も読んでもらえると嬉しいです！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ - とてもいい話で感動してずっと泣いてました！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: 30b5ba8ba9 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ロゼさん» ありがとうございます！！！！感激です…！ (2020年1月17日 6時) (レス) id: b3b5882682 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ - 新作も読ませて貰いますw (2020年1月16日 22時) (レス) id: e951c39958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘塩爺 | 作成日時：2019年12月27日 12時
