アメフリレインボウー2ー (ページ27)

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#27 pouring ページ27

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『仲良いの？永瀬くんと』

周囲の冷ややかな視線とは裏腹に

心配そうに顔を覗き込んでくる友達に

「ノート…貸してただけ」

言い訳なのか、そもそも何に対する言い訳なのか

とりあえず真っ白な頭で絞り出した事実を伝えれば

彼女はスマホを自分の手元に戻すと

何やらいくつかの操作をしてから

再び私に画面を見せてきた。

『こんなこと書かれてたけど…』

今度はズラリと並んだ文字が目に入る。

誰かのSNSの投稿記事のようだった。

目立つように掲げられた永瀬くんの名前と

淡々と綴られる言葉の数々に目を通していけば

怒りのような、悲しみのような、悔しさのような

行き場のない感情が次々と込み上げてくる。

＂同級生と熱愛＂

＂夜の裏道で逢瀬を重ねる＂

＂今どき古風な交換日記で愛を育む＂

「……なに、これ」

『昨日深夜に流れてきたの。

出所がどこなのかは分からないんだけど…』

誰が、何をどう見て、どう捉え

これらの言葉選びに行き着いたのかはわからないけど

捏造もいいところだ。

ほとんどが偽りの内容で固められた

たった一ページの妄想記事に、吐き気さえしてくる。

「こんなの、嘘だよ…」

犯罪に手を染めたわけじゃない。

誰かに責められるような悪事を働いたわけでもない。

それでも。

理屈ではそうだとしても、

たった一枚の写真が彼の世界を大きく動かし

私は間接的に知らない誰かを、

おそらくたくさんの人を傷つけることになる。

どれだけの非難を浴びせられるか想像もつかない。

そこにどんな真実が隠されていようとも、だ。

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