アメフリレインボウー2ー (ページ23)

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#23 balmy ページ23

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いつの日からか

私の前の席は、私自身の心を表しているみたいだ。

空いていれば心にもぽっかり穴が空いて

埋まっていれば満たされた気分になる。

夏休みが明けてから

その場所は想像以上に満たされる事が多かった。

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『俺、進学考えとるから』

彼からそんな話を聞いたのは

ちょうど制服の衣替えが始まる頃だった。

パン屋の横の路地裏を抜けた先の

更に奥の方にひっそりと佇む小さな神社。

例のごとく夜のパン屋に突然現れた彼は

いつかのように私のバイトが終わるまで

暗がりの中自動販売機の横で待機し

合流すると「いいとこ見つけた」と

問答無用で歩き出した彼に着いて行った先は

心霊スポット手前の異様な静けさを放つ

人気のない神社だった。

『3年の後半はなるべく学校に行けるようにして

勉強に集中できるようにって、お願いしてたのよ』

湿気たカレーパンを頬張りながら淡々と話す彫刻。

夜遅い時間に躊躇なく揚げ物を体内に放り込んで

なぜこのスタイルを保てているのだろうか。

これもアイドルの素質？

いや、彼の体質か。

何であれ、ちょっとムカつく。

「だから最近はよく学校に来てるんだ」

『そゆこと』

座っていた石段から一度立ち上がって

服に散らばった衣をぱっぱと払うと再び腰を下ろす。

神社の入り口の階段に座り込み飲食した挙句

何食わぬ顔で残り粕まで放った彼は

罰当たりとかは特に気にしないらしい。

『ってことだから、よろしく』

「えっ？何が？」

『俺が仕方な～く学校休んだときの分のノート』

「は！？」

何でこんなにも平然としているのか

誰に何を言っているのか

そもそも人にモノを頼む態度か

どこから突っ込めばいいのかわからない。

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