アメフリレインボウー2ー (ページ14)

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#14 nimbostratus ページ14

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バイトを終えて外に出れば

夜の中を吹き抜けた心地よい風が頬を撫でた。

「お疲れさまー」

一緒に働いた仲間に手を振って

その子が角を曲がり見えなくなったのを確認してから

私は辺りを見回す。

＂待ってて＂とは言ったけど、もちろん彼が

お店の前に堂々と立っているなんてことはなくて。

一体どこへ行ったのかと適当に歩いてみれば

「あ、」

薄暗く細い路地裏。

ひっそりと佇む自動販売機を盾にして

しゃがみ込んでいるシルエットを見つけた。

機械から放たれる大きな明かりと

彼の手元から漏れている四角く小さな光だけが

静寂な空間を淡く照らしている。

そのまま足を進めていけば

気配に気づいたらしい彼が

画面から顔を上げてこちらへと視線を移した。

『お！おつかれぃ』

「ごめんね、待たせちゃって」

スっと立ち上がった彼を目の前にした瞬間

一度は収まっていた緊張が再び走り出す。

「それで…なんだっけ」

できることなら目を伏せておきたい

現実を突きつけられるかのような不安と

この数日間、非合理的に心が求めていた彼の姿が

すぐ側にあるという安堵の情の狭間で

夜の闇に包まれた雰囲気のせいか

胸にかかり続ける靄は深さを増していく。

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見られてた。

私が、髙橋くんと2人でいるところ。

それの何が問題かと言われれば何でもないのだけれど

見られたくなかった。

そう思ったのは

見られた相手が永瀬くんだから？

彼はわざわざここに来てまで

私に何を言うつもりなんだろう。

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