#find out.48 ーafter Jinー ページ48
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今でもときどき思う。
Aの運命の相手は、本当は俺なんじゃないか
なーんてね。
クラスもずっと一緒で
俺に対してはめちゃくちゃ塩対応だけど
なんだかんだでAは俺といる時は素っていうか
全然飾ってなくて。飾らなすぎて怖いけど。
だけど本当は弱くて、涙脆くて、優しくて
手を差し出せば頼ってくれて
「ありがとう」って無邪気に笑ってくれる。
そんなAが、俺はやっぱり──
「A！」
この広大なキャンパスの中でも
その小さな後ろ姿を
すぐに見つけることができてしまう。
ふわっと髪を靡かせながら振り向いた君は
高校生のときとは違って
今までほとんど見ることのなかった私服姿に
髪を巻いたりなんかもしちゃって
女の子ってこんなに変わるもん？
紫耀がいないこの場所で
そんなの、ずるくない？
俺に気づいていないのか
キョロキョロしているAのところへ駆け寄ると
『あー！じん……』
「ん？」
『……ぐうじ…』
立ち止まった俺を、目をぱちぱちとさせながら
じーっと見つめたまま、フリーズした。
「なに、どうした？あ、見惚れてる？
まぁ制服姿もイケイケだったけどこっちも結構…」
『は！？そんなわけないでしょ！調子乗るな』
中身は全然変わらないAに
少し安心しちゃったりもして
「てか今��ジン��って呼んだ？」
『呼んでない！ぐうじまで言った！』
「そうだっけ？でもジンっていったよね？」
『ぐうじ！ぐうじぐうじ！』
相変わらず冷たくて頑固な君も
やっぱり俺は好きなんだよな。
でも、ちゃんとわかってる。
俺はAを見守る係。
ずっとそういうポジション。
「てか大学まで同じって、俺ら運命共同体だよな」
『言い方キモイ。ただの腐れ縁でしょ。
てか着いてこなくていいじゃん』
「俺が誰と一緒にいようと勝手だろ？」
足を早めてスタスタと歩いていくAの後ろを
少し歩幅を広げて着いていく。
だってさ、仕方ないじゃん。
Aの彼氏であり俺の親友である紫耀に
「Aちゃんのことマジで頼んだよ」
なんてガチトーンでお願いされた上
かわいいワンコに見せかけた狼みたいな君の弟が
瞳の奥に真っ黒いものを宿しながら
俺に迫ってきたあの日のことを
忘れることなんてできないだろうから。
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7日目の蝉(プロフ) - lemon09さん» lemon09さんコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです…！そう言ってくださる方がいて本当によかったです。読んでくださってありがとうございました！ (2020年12月10日 22時) (
レス) id: 8841233121 (このIDを非表示/違反報告)
lemon09(プロフ) - 急に終わってしまって寂しくなっちゃいました（笑）でも面白かったです、お疲れ様でした。 (2020年12月9日 4時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2020年3月12日 1時
