#find out.46 ーafter Kaitoー ページ46
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ちょっくら盲点だった。
学校で紫耀先輩といるねーちゃんを見かける度に
どこか安心しきった気でいたけど
『進路が別々なのは仕方ないじゃん』
ねーちゃんの進学先が決まって一緒に喜んでいた俺が
同時に知り得た紫耀先輩の進学先の情報は
一瞬にして俺から笑顔を消し去った。
「しょー先輩も俺もいないとこでどうすんの！？
絶対危険だよ！だって大学生だよ？
毎日合コンみたいなもんじゃん！」
『あんたの大学のイメージどうなってんのよ』
いつもの呆れた表情で話を流そうとする
ねーちゃんは今日も呑気なもんだ。
ずっとねーちゃんを見守ってきた俺が
今までどれだけ裏で手を回してきたかも知らずに。
ソファーで寛ぎながらテレビと向き合っている
気の抜けた後ろ姿に少しイラッとして
勢いのまま近づいていって隣に腰を下ろす。
「ねーちゃん喰われまくりじゃん！むり！だめ！」
『喰われないから。大丈夫だから。』
「あ！高校留年するのはどう？俺と同級生☆」
『バカじゃないの』
何を言っても表情一つ変えずに
淡々と言葉を跳ね返してくるねーちゃんに
そろそろ鈍感さをわからせてあげようと思ったとき
突然何かを思い出したように
「あー、」と声をあげたもんだから
伸びかけた手を慌てて引っ込める。
『同じ大学行く友達が一人いるから、大丈夫』
それの何が大丈夫なのかはよくわからないけど
俺の心の奥底に眠るセンサーが発動した。
「誰？女の子？男？名前は？」
『なになになになに、怖いんだけど』
つい身を乗り出していた俺から逃げるように
ソファーの上で後ずさるねーちゃんを
決して逃がすことなくしっかりと捕らえる。
少し怯えたように俺を見つめる瞳。
『ちょ、どいてよ』
「やだ」
『どいてってば』
「名前は？」
俺、今どんな顔してるんだろう。
このスイッチが入ったときの顔なんて
自分で見たことないからわかんないや。
意地でも離れようとしない俺に観念したのか
仕方なくといった表情でねーちゃんがやっと口にした
なんか聞いた事のあるような名前を頭に叩き込んで
唖然とするねーちゃんをニヤリと見下ろす。
「最初から言えばいいのに」
そして俺はまたいつものように
胸に渦巻く興奮に掻き立てられながら
リビングを後にした。
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7日目の蝉(プロフ) - lemon09さん» lemon09さんコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです…！そう言ってくださる方がいて本当によかったです。読んでくださってありがとうございました！ (2020年12月10日 22時) (
レス) id: 8841233121 (このIDを非表示/違反報告)
lemon09(プロフ) - 急に終わってしまって寂しくなっちゃいました（笑）でも面白かったです、お疲れ様でした。 (2020年12月9日 4時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2020年3月12日 1時
