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神「じゃあ、俺は呼び出されたから行くわ！」

用を足し終わったらしいジンは、戻ってくると

俺を見て意味深な笑みを浮かべてから

突然そう言い放った。

嘘か本当かはわからないけど。

『気ぃ遣ってんのかな』

驚いて慌てふためくAちゃんをよそに

颯爽と去っていったその後ろ姿は

＂紫耀の好きなようにしたらいいよ＂

そんなふうに言っている気がした。

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『少し休憩しよっか』

しばらく花火をみたあと

屋台が並んでいない河川敷の方まで戻って

きっと疲れたであろうAちゃんを

とりあえず石段に座らせる。

『俺、なんか飲み物買ってくるね』

俺を見上げてコクリと頷いたAちゃんを背に

この幸せな時間を噛み締めていた。

Aちゃんの隣にいられることは

やっぱり嬉しくて、楽しくて、幸せで

だからこそ失いたくない大切な存在で

俺は、本当にこのままでいいんだろうか。

この先もずっと

暗闇の中から抜け出さないまま

大切だと思える人を、ただ一歩離れて想うだけで

光のない孤独な世界で生きていくんだろうか。

そんなことを考えながら

二本の缶を片手に元の場所に戻ってくると

Aちゃんの姿がなかった。

辺りを見回しても、見当たらない。

嫌な予感がした。

少しの時間だろうと

Aちゃんを一人になんて

絶対にしちゃいけなかったんだ。

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