【d!】我々のメイドリーダー 2 (ページ4)

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≪お前らおるか？≫

数時間が経過した時いつ合図が来てもいいように付けたままにしていたインターカムから直接トントン様の声が聞こえた。
すぐさまスチュワードが隣で返事をすると、入って来いとの指示が入る。
2人で顔を見合わせるとすぐ様ノックをして扉を開けた。
場の雰囲気は特に悪くも良くもなく業務的に話し合いも終了したのだろう。

「本日はお時間をいただきありがとうございました」
「こちらこそ。幸栄でした」

立ち上がり握手を交わすお二人を横目に扉前に立つ。
他国の国王はまたもやこちらに視線を送ってくるが気が付かないふり。

「あの話も考えておいてくださいね」
「…何度もお答えしていますが、」
「まあそう言わずに考えてくれ」

グルッペン様へ歩み寄った他国の国王様に疑問を抱きつつ身体ごと間に入るオスマン様を見つめる。
いつもはそこまで変わらないポーカーフェイスなのに今はどこか怒っているようにも感じる。
そういえば先ほどのインターカムから聞こえたトントン様の声も少し怒っていた気が…しかし鬱様は怒っているというより嘲笑うような笑みを浮かべている。

「では、失礼するよ」

にっこりと笑みを浮かべて従者達と去っていった他国の国王様を先ほどの人員でお見送りをする。
お車が見えなくなるまで頭を下げていると不意に隣からの舌打ちが聞こえ、まだお車が完全に去っていないが思わず頭を上げてしまった。
舌打ちが聞こえたほうに顔ごと視線を向けると不機嫌を全く隠さず怒りの感情をむき出しにしたグルッペン様がいた。
ここまで感情を露わにしたグルッペン様は久しぶりに見た。
いつもより大きくヒールの音を響かせて城へと入っていくグルッペン様の後を追いかけようとしたとき、彼から信じられない言葉を吐き捨てられた。

「Aは来るな」

思いもよらぬ発言にビシリと体が硬直する。
どうしたらいいのかわからず遠のいていく主の後姿を見つめるしかなかった。
長い軍服の裾が歩くたびに揺れる、目を離せずにいると「私が様子を伺いますのでご心配なさらず」とスチュワードが小声でそう言った、私は声帯を奪われたように何も言葉を発せなかった。
トントン様とオスマン様も私の顔を軽く覗き込んだのちグルッペン様の後を追っていった。

なぜ？私は何かミスを犯したのか？
他国の国王からの視線を無視せず笑みでも浮かべていればよかったのか？
いや、そんなことをしては色目を使ったなどとトラブルを起こしていた、私が間違ったわけじゃない。