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今日の旗印戦は"上杉謙信にビートで勝つ"というもの。結果は挑戦者が100点、上杉くん28,000点で上杉くんの圧勝だった。それでも一気に205Pをかっさらった武田くんにはまだまだ勝てそうにない。
「上杉くんの演奏素敵だった。」
「あんなに琵琶がお上手なんですね。」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。」
爽やかなスマイルとともに琵琶を弾く真似をした上杉くんに、豊臣くんは不満げな顔をして「俺も弾けるし〜。」と対抗して見せた。何がそんなに気に入らないの……。そんな騒がしい教室に魔村さんが入ってきた。転校生が来ているのだという。
「徳川家康だ。」
そう名乗った人物はサングラスをしていて顔はよく見えないが貫禄が凄まじかった。皆が言うように15歳には到底みえない。
「おい、なんだお前。そのグラサン。」
「ゴミが目に入らないようにな。」
井伊くんが早速喧嘩をふっかけに行くが全く相手にされていない。挙句の果てにゴミ呼ばわりされる始末。すかさず豊臣くんが止めに入った。こういう時の彼の行動力は褒め称えたいと思う。
「どうしてもというなら旗印戦で……。」
「旗印戦ね、いかにもゴミ共が喜びそうな催しだ。しかも、あの使い古されたボロボロの箒みたいな頭のやつがトップとはたかが知れている。」
澱んでいく空気の最中みやびちゃんも止めに入ろうとするが、織田くんのホタテが焼けたことにより何事もなく晴れ間を迎えた。
「ホタテ今焼くぅ!?」
「貴様、良い匂いを奏でるなあ。」
「また助けられたな。」
この前の旗印戦の様子を見ていたらしい徳川家康は武田くんを挑発した。どうやら今の標的は彼らしい。
「信長にもらった偽物の勝利だ。」
あれから静かにただ縮こまっているだけだった武田くんは織田くんを見やると目を泳がせ何も言わずに教室を出て行った。織田くんの考えていることは基本見えないが、武田くんを助けたというよりみやびちゃんを助けたように見えたのは私だけだろうか。その後移動教室のためにみやびちゃんと廊下を歩いていると、織田くんと徳川くんがすれ違う場面に遭遇した。2人とも仲良くする気はなさそう。
「家康と信長は同盟を結んでいた。嫌な予感しかしません。」
「みやびちゃん?」
「Aちゃんは、人って変われると思います?」
「ええ、急に?難しいこと聞くね。人は変われるのか、かあ。……その人が変わりたいかそうじゃないかによるんじゃないかな。」
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もちゃ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます。こだわってるところ褒めていただけて光栄です。楽しみにしてくださってることも嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年9月9日 3時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ございません。好きと言っていただけて嬉しいです。応援もありがとうございます、頑張ります。 (2022年9月9日 3時) (レス) @page22 id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
みー - このお話の2人の距離感が私も好きです!これからも楽しみにしています! (2022年9月5日 10時) (レス) id: ef372782cb (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白くて好きです!更新頑張ってください! (2022年8月16日 23時) (レス) @page19 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - moka、さん» コメントありがとうございます。試行錯誤しながらですが最初のうちは近すぎず遠すぎずを目指しているのでそんな2人の距離感を好きって言ってもらえて嬉しいです。感想、お気遣い、ありがとうございます。 (2022年8月11日 2時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちゃ | 作成日時:2022年7月29日 15時