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武田くんは1時間40分、トイレに籠城していた。井伊くんはニヤニヤとその様子を見つめているが、上杉くんは見くびりすぎだと水を差した。

「武田の凄さは僕が嫌ほど知ってる。」

あれだけ喧嘩していてもお互いを認めあっているらしい。仲睦まじいなあ。すると今度は挑戦者たちが丸太で鉄のドアを壊そうとし始めた。そんな最中にみやびちゃんが現れた。

「もうお辞めくださいませ!こんなの馬鹿げてます!」
「君は黙ってて!」
「黙りません。」

大沢くんはみやびちゃんの勢いに圧倒されたかと思えば、自分は逃げ後ろにいた3人の女子生徒に彼女を任せた。この後の展開はいやでも分かる。見ていられないと席を立ち戦場となっているトイレへと向かった。間に合わなかったらしくみやびちゃんは居なかったが、ちょうど私に気が付いた先程の女子生徒たちがメンチ切ってきたためその喧嘩を買うことにした。幸いにもカメラの画角からは見えないところまで自ら来てくれた。ありがたいね。

「先程はうちのみやびがお世話になった様で。」
「ああ?誰だよそいつ。」
「あんたらより勇敢で綺麗な女の子だよ。」

向かってくる相手を意図も簡単に躱し今度は成田が仕掛ける。勝負は一瞬でついた。彼女は床にへばりつく女子生徒たちを背後に今度はみやびを探し始めた。みやびちゃんはうちの学校にいる生徒たちとはどこか違う。故に何を考えているのか理解できない部分もある。だから放っておけないんだ。それに特進唯一の同性の友達を新学期早々失いたくない。

「助太刀致す!」

正門からみやびちゃんの声が聞こえそこに向かうと、彼女は挑戦者たちと他校の生徒に囲まれた武田くんの前で覚悟を決めた顔をして立っていた。

「私も手を貸そう。」

すかさず彼女の隣に立つ。この時ドローンに武田の布が覆いかぶさり中継が中断されたことにより、豊臣が2人の名前を呼びながら教室を飛び出したことなど当の本人たちは知る由もない。

「俺の戦に手助けなどいらん。お前らには絶対に無理だ。」
「絶対は絶対にない。」
「私はみやびちゃんを守りたいだけだから、気にしないで。」

そうかっこよくキメたのに桜吹雪と共に私たちの前に現れた織田くん。みやびちゃんの歌に合わせて舞い、次々に挑戦者や不良たちをなぎ倒していく。魅入ってしまうくらいに綺麗だった。しかもかなり強い。

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もちゃ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます。こだわってるところ褒めていただけて光栄です。楽しみにしてくださってることも嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年9月9日 3時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ございません。好きと言っていただけて嬉しいです。応援もありがとうございます、頑張ります。 (2022年9月9日 3時) (レス) @page22 id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
みー - このお話の2人の距離感が私も好きです!これからも楽しみにしています! (2022年9月5日 10時) (レス) id: ef372782cb (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白くて好きです!更新頑張ってください! (2022年8月16日 23時) (レス) @page19 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - moka、さん» コメントありがとうございます。試行錯誤しながらですが最初のうちは近すぎず遠すぎずを目指しているのでそんな2人の距離感を好きって言ってもらえて嬉しいです。感想、お気遣い、ありがとうございます。 (2022年8月11日 2時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちゃ | 作成日時:2022年7月29日 15時

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