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「まあ、あんまり気を落とさん様にな。」
「え？」
帰り道豊臣くんと歩いていると不意にそんなことを言われ驚いて彼の顔を見る。徳川くんに味方ができてしまった以上不安なこともあるけど、そんなに思い詰めた顔してたかな……。
「図書室でなんかあったんやろ。明智に同情するようなこと。」
「同情って……。豊臣くんは明智くんのこと嫌いなの？」
「嫌いって訳やないけど裏切ったし、Aちゃんさっきからずっと彼奴のこと考えとるし。」
と彼はちょっと拗ねて見せた。
「徳川くんを止めるためだよ。……でも引き止められなかったのは、ちょっと悔しいかも。」
「Aちゃん、優しいなあ。」
そう言って私の頭を撫でる豊臣くん。その手になんだか安心を覚えてしまう自分がいて、思っているよりも彼のことを信頼しているのかもしれないと気付いた。
「それにしてもどうなるんやろうなこれから。」
「明智くんが着いて徳川くんの勢いも益々強くなるだろうし、豊臣くん今のうちに強くなっとく？稽古ならつけるよ？」
不貞腐れるかなあと思っていたが、その予想は裏切られた。うんと頷かれても困るけど、いつも通りニコニコしているのもなんだか怖い。
「Aちゃんそんなに俺と一緒にいたいん？照れんでも言ってくれたらデートするのに。」
「ポジティブだね。」
次の日の教室は織田くんが掲げた宣言により混乱していた。どうやって天下を獲るのか、誰を倒すのか。
「馬鹿が馬鹿な宣言しただけだろ。意味ねえ。」
「意味ないことないんじゃない？だってさあ、誰かさんが裏の道を表にするとか宣言した後にあの旗印を掲げたんでしょ？」
黒田くんに続き「あれは宣戦布告。」だと言う武田くんに鬼形相で睨みをきかせる徳川くん。
「また地べたを舐めたいか？」
武田くんは一度目を瞑ったあと彼の前に立ち、言った。
「地べた舐めさせてみろや。」
と。その行動にクラスの皆が驚く中、一番目を輝かせていたのは上杉くんだった。
「旗印掲げた意味、大ありじゃん。」
徳川くんは相手にしないという類のことを言って教室を出ていったが、怒りは収まっていないどころか武田くんの一言でより燃えたぎっている様に見えた。
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もちゃ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます。こだわってるところ褒めていただけて光栄です。楽しみにしてくださってることも嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年9月9日 3時) (
レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ございません。好きと言っていただけて嬉しいです。応援もありがとうございます、頑張ります。 (2022年9月9日 3時) (レス) @page22 id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
みー - このお話の2人の距離感が私も好きです！これからも楽しみにしています！ (2022年9月5日 10時) (レス) id: ef372782cb (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白くて好きです!更新頑張ってください！ (2022年8月16日 23時) (レス) @page19 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - moka、さん» コメントありがとうございます。試行錯誤しながらですが最初のうちは近すぎず遠すぎずを目指しているのでそんな2人の距離感を好きって言ってもらえて嬉しいです。感想、お気遣い、ありがとうございます。 (2022年8月11日 2時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちゃ | 作成日時：2022年7月29日 15時
