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今回の旗印戦は上手くいっていると思われた。事態が急変したのはその翌朝。教室に向かおうとしている時に会ったみやびちゃんは何やら急いでいるみたいだった。
「信長くんが！！」
彼女に着いて図書館に向かうと、机に寝転ぶ織田くんと赤い液体が見えた。みやびちゃんが騒がしくしていると、当の本人はのそっと起き上がったためしんでいる訳ではなかったようだ。結局、織田くんはただ寝ていただけで、赤い液体もケチャップだった。
「それより明智くんは？」
「僕ならいます。」
そう言って手前の机から起き上がる明智くん。残りはあと4時間というところで、アナウンスが入った。
「皆さん。まだ制限時間前ですが、家康くんからお話があるそうです。」
嫌な予感しかしない。中庭にバイクを止め拡声器を持つ徳川くんの様子を生徒たちは各々の教室から怪訝そうに見つめる。
「お前は俺たちに負けんだよ！」
「「俺たちが勝つ！」」
どうやらこの言葉、徳川くんにとっては心底気に入らないらしい。威勢よく罵倒する彼らを鼻で笑い言葉を続けた。
「今から俺は宣言する。今回の旗印戦、この徳川家康の敗北で良い。」
誰もが予想し得なかった事態が起きた。徳川くんが負けを認めたのだ。
「お前たちゴミに勝っても意味がないからだ。」
「俺たちの同盟にびびっただけだろうが。」
「俺たち……。俺たち、たち、たち、たち！群れるなこのゴミ共が！！たちという考えを捨てろ。いいか？お前の人生は誰のものだ？」
二人称が変わった事で気が付いた、これらは明智くんに向けられた言葉であることに。だけど、徳川くんが彼のことを思って発しているとは思えない。
「誰でもない、お前自身のものだ。なぜ手を取り合う？なぜ徒党を組む？喜びも悲しみも分かち合うことなどできん。所詮は！弱者の戯言。死ぬ時は一人だ。他者を見るな。お前は！お前だけの人生を生きろ。覚悟を決めろ！強さを！！一人で生きていく強さを持て。」
徳川くんの言葉に明智くんの顔つきが変わっていく。一見良い事を言っているようにも見えるが、どこか腑に落ちないのは何故だろう。自分が持つ弱い部分を他人に補ってもらおうとすることはそんなに悪いことなのだろうか。
「だが、一人で生きていく覚悟決めても孤独に打ちひしがれることもあるだろう。そんな時には、俺を見よ。俺の背中を見よ。俺が道を作る！お前は、そのあとを歩け。俺が作った道を。お前が歩んできた裏の道を、表に変えてやる。
違うか！？明智！！」
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もちゃ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます。こだわってるところ褒めていただけて光栄です。楽しみにしてくださってることも嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年9月9日 3時) (
レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ございません。好きと言っていただけて嬉しいです。応援もありがとうございます、頑張ります。 (2022年9月9日 3時) (レス) @page22 id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
みー - このお話の2人の距離感が私も好きです！これからも楽しみにしています！ (2022年9月5日 10時) (レス) id: ef372782cb (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白くて好きです!更新頑張ってください！ (2022年8月16日 23時) (レス) @page19 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - moka、さん» コメントありがとうございます。試行錯誤しながらですが最初のうちは近すぎず遠すぎずを目指しているのでそんな2人の距離感を好きって言ってもらえて嬉しいです。感想、お気遣い、ありがとうございます。 (2022年8月11日 2時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちゃ | 作成日時：2022年7月29日 15時
