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黒田くんと教室に戻ると豊臣くんはまだ逃げていた。しかし逃げ場のないところに追い詰められている様で、しゃがみ込んでいる。
「伊達が秀吉を助けやがった。」
終わりかと思ったところに登場したのが伊達くん。手を貸すのは問題ないというが、井伊くんは納得いっていないらしく彼をヘタレだと言った。それを何も見えていないと否定したのは武田くんだ。
「お前が同じ状況に至った時、味方にできるのか、伊達程の男を。」
「しかしあの伊達と組むとはねえ。」
誰もが豊臣くんが有利だと考える中、黒田くんだけは違った。
「伊達はかなりの数を相手にしながら秀吉の安全にも注意を払わねばならない。そして相当消耗した後に戦うのが、加藤清正。加藤は今、体力を温存している。これは相当有利なはず。さあ、どうする秀吉。」
画面上に映る豊臣くんは再び追い詰められていた。伊達くんも一人でこれだけの数を相手にするのは簡単ではないようだ。しかし彼の勝算は伊達くんだけではなかったらしい。
「もう、何してたんや!」
「ずっと見てたがや。」
豊臣くんのところに前田くん、
「うむじゃねえわ、遅いわ!」
「助かったから良いだろ。」
伊達くんのところに毛利くんが、助太刀に来た。本当に彼のコミュニケーション能力には驚かされる。まだ気を抜いてはいけない所だが、とりあえず一安心だ。
「心配?」
「……うん。」
「ふ〜ん、そっか。」
上杉くんの問に嘘をつく理由もなかったため素直に答えた。そんなに顔に出ていたのだろうかと頬に手を当てて無意味に確認していると、教室にみやびちゃんと織田くん、本多くんが戻ってきた。本多くん何持ってるの。
3人の助けがあり56人の挑戦者を倒すことに成功した豊臣くんは、ホールに加藤くんを呼び出す。4対1になる訳だが、加藤くんは誰かを味方に付ける気はないという。
「駆け引き、陰謀、一切無し。それが俺の生き方くさ。」
加藤くんはそう言って一人で教室を去り、織田くんとみやびちゃんも教室を出ていく。私も3人に続いてホールへと向かった。
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もちゃ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます。こだわってるところ褒めていただけて光栄です。楽しみにしてくださってることも嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年9月9日 3時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ございません。好きと言っていただけて嬉しいです。応援もありがとうございます、頑張ります。 (2022年9月9日 3時) (レス) @page22 id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
みー - このお話の2人の距離感が私も好きです!これからも楽しみにしています! (2022年9月5日 10時) (レス) id: ef372782cb (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白くて好きです!更新頑張ってください! (2022年8月16日 23時) (レス) @page19 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ(プロフ) - moka、さん» コメントありがとうございます。試行錯誤しながらですが最初のうちは近すぎず遠すぎずを目指しているのでそんな2人の距離感を好きって言ってもらえて嬉しいです。感想、お気遣い、ありがとうございます。 (2022年8月11日 2時) (レス) id: ecce92cfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちゃ | 作成日時:2022年7月29日 15時