検索窓
今日:13 hit、昨日:64 hit、合計:44,181 hit

《46》恋煩いの終止符 ページ47

《七海side》



鍋の日から1週間近く経って、Aから電話がかかってくる。



開口一番に、Aは謝った。








『…ごめん、建人。悟さんから話聞いた。



私に、術師、やらせてください』



「……いえ、いずれこうなるとは思っていましたから。



でも、自分の命をなげうつような行動は控えてください。



…わかりましたね」



『…分かった』







彼女が見えている、ということに気付いたときから、なんとなくいずれ彼女は術師になる、と言い出すと思っていた。



…後悔はない。



ただ、夏油さんや、灰原のように、



…そこまで考えて、頭を振った。








『いつか、建人と戦えるようになるといいなぁ』



「貴方、女性にしてはタッパありますし、きっとすぐですよ」



『そうかなー…、



…あっ、』








あっ、と言って、彼女が少し笑いを含んだような声を出した。








『ね、聞いて、彼氏できたの』







…私の、長年の片想いを知らない、嬉しそうな彼女の声は残酷で。



Aを祝わなくてはならない、そんな思いと、片想いが実らなかった、という俄な絶望に挟まれる。







『悟さんにね、付き合わないかって。



建人が心を許す数少ない人ってことは、間違いなくいい人だろーなって思ってたから、



…それにあんだけカッコいいし。



…それからさ』








自分の好きな人が、自分で会わせた上司に惚れて、その理由がまた自分とか、もう彼女の声が聞きたくなくなる。



…なにをいうんだ、A。








『…あの人、なんか1人な気がしたんだよね』



「…あの人が?」



『うん、なんか分かったように言うのもちょっとって感じではあるんだけどさ。



なんか、対等な立場にいれるひとって、強すぎるがあまりにいなさそうじゃない?



強さとか関係なしに、同じ空間?にいれるのって、恋人だけな気がする』



「…確かに、あの人と対等になれるのはそれくらいかもしれませんね」



『加えて私にも、同じくらい強くなれる素質があるなら、やるでしょ。



…建人は、ちゃんと対等な存在、いる?』








あなたさえいれば、一人じゃないですよ、なんて言葉は口から出ること無く、飲み込まれていった。



…同時に、五条さんに必要なのは、Aのような人なのかもしれない、とも思った。

《47》恋人できた→←《45》なるでしょ、術師



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (114 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
245人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 七海建人   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

三井葵(プロフ) - 主人公がまさかの日本三大怨霊の一人崇徳天皇の末裔だったとは驚き桃の木山椒の木(←古いギャグ(笑)) (4月3日 20時) (レス) @page46 id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - やばい凄く好みなお話です…めちゃハマってしまいました…笑昨日から見始めて続き読んでたらたまたま話が更新されててすぐ続き見られたの嬉しい…続きゆっくり楽しみにしてます! (3月12日 2時) (レス) @page37 id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
三井葵(プロフ) - 野薔薇可愛いすぎますね!更新頑張ってくださいね! (3月10日 20時) (レス) @page31 id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
鍵ホーム(プロフ) - 面白い!!(゚∀゚)続きまってます!頑張ってください! (3月9日 15時) (レス) id: 9881f6affa (このIDを非表示/違反報告)
アジア人の末裔 - メッセのやり取りの五条せんせーの僕レベルになると〜がめちゃくちゃツボにはまりました…!! (3月7日 21時) (レス) @page7 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:御手洗ネコ | 作成日時:2024年3月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。