07 嫉妬之進 ページ7
「んぐぎぎぎぎィィ…ッ」
小麦肌の青年が妬ましそうにAを見ていた。
第七師団・階級少尉、鯉登音之進。鶴見の部下であり尾形にとっては一応上官にあたる。
Aは鶴見によって熱烈な歓迎を受けた。
表向きは美味い飯を勧めてくれたお礼に鍋をご馳走しよう！という名目だ。そんなことある？
そう。その実。彼女の背後に見える金が本来の目的なのである。
しかしとうの本人はそんなこと知る由もない。普通ならそんな事でお招きするかな、とか考えてもおかしくはない。が、彼女は何というか、少々アホなのである。天然ともいえる。
尾形に連れられてのこのこと宿舎にやってきた。第七師団二十七連隊の皆で開催されている、いわゆる鍋パに混ぜてもらっている。
鶴見中尉にはえらく褒められ何度も何度も握手を交わした。よく分からないもののめっちゃ褒められている！とへらへら笑っている横で鯉登がとんでもない形相で睨んでいるとも気付かずに。
「鶴見中尉に何度も何度も手を握られおってェエ！というか何だこの小娘は！誰なんだ！！」
鯉登の疑問は至極真っ当なものである。
鶴見や尾形はさておき、他の者たちも彼女の存在には多少疑問を感じつつもむさ苦しい男衆の中に咲いた一輪の花とばかりにデレデレ。
なんでいるんだろーまあいっかーかわいいなー、といった空気なのである。
「Aです！この鍋は最強ですね！あなたは食べないの？」
Aが鯉登の口元に豆腐をひとかけ持っていった。あーんの状態だ。
まだ若い青年の顔が一気に赤くなる。
Aは何の気無しにしたことだが、まだまだ青い彼にとっては何とも照れくさいことだった。
しかもみんな見てるし。
「どうした鯉登少尉。女子の好意は素直に受け取らねばモテないぞ〜」
はっ！鶴見中尉どんに叱られるッッ！！
彼の尊敬する上官に促され、皆が見ている前でぱくりと豆腐を口に含んだ。あ、味がしない…
何か妙な気分だ。と思ったがそれもそのはず、なかなか食べない彼に痺れを切らしたAが先にぱくりといっていた。
「おっおのれェエ！！！」
なんだか恥をかいたような気がして叫んだ。
皆はそんな二人のコントのようなやりとりを見てどっと笑っている。何名かを除いて、だが。
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メルテア(プロフ) - 炊きたてのお米くらいあっつあつじゃん？でもう笑いすぎて感想書いちゃいましたww主人公面白すぎるwww神作品ありがとうございます！！m(_ _)m (8月31日 8時) (
レス) @page28 id: 296f866ede (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。ありがとうございます！私の中で鯉登は普段ピュアピュアなのにたまに男らしさを見せるカッコイイ奴って感じだったりします！鯉登もちょいちょい絡んできますのでまた読んでいただけると嬉しいです！ (2021年10月10日 20時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - 鯉登少尉のピュアさに悶絶して思わずコメントしました…私自身鯉登少尉推しなのでとても嬉しいです！頑張ってください！ (2021年10月10日 16時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。はじめまして！コメントありがとうございます！嬉しいです。色仕掛けちょいちょい出す予定です(笑)素敵なご感想ありがとうございました！ (2021年10月7日 19時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いです！特に尾形の色仕掛けが色んな意味でドキドキしました！主人公の食いっぷりも読んでいてお腹が空いてしまいます。素敵な作品！更新待ってます。 (2021年10月7日 17時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chloe | 作成日時：2021年10月5日 1時
