40 凄腕スナイパー ページ40
「おいやったか！？」
「いいや声がしなかった」
「クソ、もう一度撃て！」
縁側の方が騒がしくなってきた。
そして再び撃ち込まれる弾丸。どうやら本当に素人のようで、命中率はあまり高くなさそう。
だが、下手な鉄砲数打ちゃ当たる、というようにいつまでも大人しく身を潜めているわけにもいかない。
Aは尾形に
いや、お前が取りに行けよ、と目で訴える。
尾形は何度も何度も指をさす。行け！と圧をかけている。
Aの顔が苦いものを噛んだ時のように歪む。
あっちに隠れてるやつに撃たれたらどうすんだ！
尾形は音を立てないように銃を組み立てている。
こんなタイミングで手入れなんてしてるからパーツが飛んでいくんだ。バカ尾形！
Aは内心で悪態をついた。
そして隣の部屋に向かってちゃぶ台を蹴り上げた。
奥に潜んでいた男がその音に驚いて、障子越しに撃ってきた。
しかしちゃぶ台が盾となり、獲物、つまりはAまで届かない。
Aはその隙に身を転がしてボルトを掴むとおマヌケ上等兵の方へ投げた。
尾形がそれを受け取ると素早く銃へ装填し、間髪入れず狙撃する。
銃の撃音と薬莢が畳に落ちる音が五度鳴り、一人分の呻き声が上がった。
火薬の煙が立ちこめる。
Aが縁側へ繋がる障子を開くと首元から血が噴き出して死んでいる男が四人。
声を出す間もなく息の根が止まったのだろう。
尾形が奥の部屋の障子を開くと血に塗れた肩を掴んでもがき苦しむ男が一人。
「どこのもんだ。目的は？」
先ほどまでその男が持っていたであろう拳銃を拾い上げてこめかみに突きつける。
Aは息を呑んだ。
そういえば尾形がまともに銃を使うところを見たのはこれが初めてかもしれない。
影が見えていたとはいえ、障子を隔てた向こうに潜む人間を複数人、正確に一撃ずつで仕留める。
そして情報を聞き出すためだろう。一人だけ急所を外している。
それをいとも容易くやってのけた。
並の兵士に出来る芸当では無い、ということは分かる。
生き残りを拳銃で脅し問いただす尾形の背中と四人の死体を交互に見ていると、彼が此方を振り向き、ハハッと得意げに笑った。
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メルテア(プロフ) - 炊きたてのお米くらいあっつあつじゃん？でもう笑いすぎて感想書いちゃいましたww主人公面白すぎるwww神作品ありがとうございます！！m(_ _)m (8月31日 8時) (
レス) @page28 id: 296f866ede (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。ありがとうございます！私の中で鯉登は普段ピュアピュアなのにたまに男らしさを見せるカッコイイ奴って感じだったりします！鯉登もちょいちょい絡んできますのでまた読んでいただけると嬉しいです！ (2021年10月10日 20時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - 鯉登少尉のピュアさに悶絶して思わずコメントしました…私自身鯉登少尉推しなのでとても嬉しいです！頑張ってください！ (2021年10月10日 16時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。はじめまして！コメントありがとうございます！嬉しいです。色仕掛けちょいちょい出す予定です(笑)素敵なご感想ありがとうございました！ (2021年10月7日 19時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いです！特に尾形の色仕掛けが色んな意味でドキドキしました！主人公の食いっぷりも読んでいてお腹が空いてしまいます。素敵な作品！更新待ってます。 (2021年10月7日 17時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chloe | 作成日時：2021年10月5日 1時
