04 野望のため ページ4
「いやあ実に美味かった。お嬢さん、勧めてくれてありがとう！」
鶴見中尉はハンカチで口元を拭いながらAに礼を言う。気に入ってくれた様子だ。
一口わけてもらったA、こちらも上機嫌でへへ〜と返す。
尾形はというと完全にAを怪しんでいる。が、特に何かをされたわけでもない。
顔にこそ出さないが、もやもやとした気持ちを抱えながら皆とレストランを出ていく。
「明日も此処へ来るぞ」
レストランの中でのよそ行きモードとは打って変わり低い声でぼそりと告げる鶴見。
尾形だけに聞こえる声の大きさだった。その表情には影が差していた。
尾形は少し唇を開いた。何故です、と問うと前を向いていた鶴見の首がぐるん、と彼の方を向いた。
「あの娘を見て何も思わなかったか〜？尾形上等兵…」
思わず生唾を飲む。そして鶴見の迫力に少し押される。あの娘。やはり只者ではないと鶴見中尉も見抜いたのだと。
「……まるで野生動物のような…妙な空気を感じました。…間諜でしょうか」
ちっがーう！！！
と鶴見の絶叫が響いた。
え、違う？なんだと…
普段はあまり感情を面に出さない尾形もこればかりは驚いて目を見開いてしまった。
「あの娘は金持ちロシア人のそれはそれは目に入れても痛くないはずのかわい〜い娘だ。身なりを見れば分かる！」
「は、はあ…」
つまりはこうだ。
ロシア人のいいところのお嬢さんが何故かレストランで働かされている。何か事情があるに違いない。
もしかしたら言いがかりをつけられて無理矢理働かされているのでは…と。
もしも家出少女だったならご両親のもとへ返してやればそれなりの謝礼が期待できるはずだと。
「落ちているカネは拾うべきだと思わんかね」
鶴見の底知れぬ不敵な笑み。
なるほど餌付けをしていたのはこういうことか。彼のやることなす事にはちゃんと意味がある。
「それにあの娘、なんと言うか…アホそうだっただろう！多分そう難しくはないぞ〜尾形、お前が拾いに行くのだ！」
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メルテア(プロフ) - 炊きたてのお米くらいあっつあつじゃん？でもう笑いすぎて感想書いちゃいましたww主人公面白すぎるwww神作品ありがとうございます！！m(_ _)m (8月31日 8時) (
レス) @page28 id: 296f866ede (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。ありがとうございます！私の中で鯉登は普段ピュアピュアなのにたまに男らしさを見せるカッコイイ奴って感じだったりします！鯉登もちょいちょい絡んできますのでまた読んでいただけると嬉しいです！ (2021年10月10日 20時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - 鯉登少尉のピュアさに悶絶して思わずコメントしました…私自身鯉登少尉推しなのでとても嬉しいです！頑張ってください！ (2021年10月10日 16時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。はじめまして！コメントありがとうございます！嬉しいです。色仕掛けちょいちょい出す予定です(笑)素敵なご感想ありがとうございました！ (2021年10月7日 19時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いです！特に尾形の色仕掛けが色んな意味でドキドキしました！主人公の食いっぷりも読んでいてお腹が空いてしまいます。素敵な作品！更新待ってます。 (2021年10月7日 17時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chloe | 作成日時：2021年10月5日 1時
