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01 劇場。 ページ7





「……っ!」


息を吸おうとしても、声を出そうとしても、全然できなくて。








_____劇場。







盛「…今日はここまでにしとくか?」

リ「日改める?」




「ここまで来れただけ成長やわ」と言いながら頭をなでられる。


…こいつら、私のこと何歳やとおもてんねん。






劇場前の通りに入り、たこ焼き屋をすぎたあたり。

もう、ほんまに目と鼻の先。

はためく劇場の旗の音さえ懐かしい。





何回も何回も通った道。

すべり散らかして泣きながら帰った道。

はじめての単独にはしゃぎながら通った道。

……意識のない相方が救急車で運ばれてった道。





懐かしくて嬉しい気持ちと、辛くて怖くて暗い気持ちが湧き上がる。


手は震えるし、息もしづらい。


でも、ここまでこれたんやから、、、




「…いや、行く。」

リ「おお、ほんなら行こ」

盛「もー出番近いし、俺おんぶしよか?」

「ほな頼むわ」

盛「えぇ?!ほんまにすんの?」




もりしが冗談で言った言葉をすんなり受け入れると、めっちゃびっくりされた。



毎日毎日、忙しい合間塗って来てくれてる2人のためにも、

もう今日で終わらせたい。

心配かけてるみんなに、せめて顔だけ見せにいきたい。



でも、足が動かんから。




盛「えぇ?!ほんまに?!めっちゃ乗ってくる、この子」

「ええやろ、乳当てといたるから」

盛「それ言わなあかんかった?!言わん方がドキッとしてたで?!」

リ「よかったな、もりし。童貞卒業やな」

盛「いや乳当てられたら童貞卒業ってなに?ほんで童貞ちゃうけどお?!」

「もうええから、はよ行って」





おんぶしてもらって、いざ2ヶ月半ぶりのマンゲキへ。








盛「はい、エレベーター乗ります〜」

「……」

盛「…あれ?Aおらんなった?」

リ「わかるやろ、重みで」

盛「なに?どうなってんの?この人」

リ「顔埋めとる」

盛「え、まって?背中はさすがに臭いと思うで俺」




もりしのタバコとおっさん臭い背中で、息を整える。

呼吸の仕方がわからなくなりそうで、必死に吐き出して吸ってを意識する。




絶対震えてるのわかってるはずやのに、

「臭くても怒らんといてやー」なんて言いながら、あえて触れないようにしてくれている。



…ありがとう。

いっぱい乳当てとくわな。

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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時

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