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「……でか図体がおる」
盛「誰がでか図体じゃ、しばくぞ」
むくっと起き上がったかと思うと、赤く腫れた目をしぱしぱさせながら。
「わー部屋めっちゃ綺麗なってるやん」
ベッドからひょこっと出て来て、見渡してまたにへらと笑う。
「ありがとー助かるわ」
何事もないかのような振る舞いに、不満そうなもりしが口を開く。
盛「……お前、元気なんか」
「へ?元気やで、見たらわかるやろ」
盛「見てわからんから言うとんねん」
ソファに座るもりしの前で、調子良くクルッと回ってみせる。
盛「飯も食うてへんねやろ、どうせ」
「あー、、お酒は飲んでたよ、あと煙草と」
盛「カリッカリなっとるやんけ、身体」
「えーでも乳まだあるから大丈夫やで」
盛「意味わからんわ、なんの大丈夫やねん」
へらへら笑いながら、自分の胸を鷲掴んで揺らしてみせる。
盛「…なんで連絡返さんねん」
「あー、、スマホどっかに転がってなかった?」
掃除された部屋を見回し、「充電切れてから見てへんくて」なんて。
盛「お前なあ、どんなけ俺らが心配したとおもとんねん」
「え〜ありがとお。なんかごめんなあ」
悲しいんか怒ってんのかわからんもりしの声色を受けても、飄々と返したりして。
「ちょっとヤりすぎて腰痛いくらいやで」
なんて、いつもの調子で下ネタ挟んできたりして。
そんな姿が痛々しくて、見てられんくて、口を挟む。
リ「A」
「…なんよ」
リ「もりしも俺も、ゆず兄も、劇場のみんなも心配しとる」
「……いや、だからありがとうって言うてるやん」
リ「A」
さっき俺の胸で泣いたからバツが悪いのか、少しずつ唇を尖らせる。
リ「とりあえず、劇場に顔だけ見せにいこ」
「いっ、いやや!」
盛「なにがいややねん」
「………いや、やから、いやや」
ズボンをギュッと握る手が、細くなった肩が、小さく震える。
改めて見る姿は、頬がこけ、顔色が悪く、不健康そのもので。
首元や窪んだ鎖骨に、寂しさを埋めた代償の赤いマークが無数に見える。
その姿を見て、悔しそうに下唇を噛む相方は、ほんまに愛に溢れとると思う。
盛「あのなあ、A」
「…な、なに」
立ち上がり、でかい体が小さな身体を見下ろして言う。
盛「…怖いなら怖いって、俺らに言えや」
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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時