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*
盛「、、説明せい」
「よし、わかったから落ち着け!顔怖いから!」
盛「こんな顔にもなるやろ!お前!」
賢「まあまあ、盛山落ち着こうや、な?」
水「なにがどうなってんの?企画?」
楽屋の広間のど真ん中。
床に正座させられてるAの姿は、
スタッフTシャツに、
ななめがけのポーチ、
その肩紐にはガムテープや養生テープ。
リ「書類書きに行った、って言うとったやん」
「うむ、行った」
リ「何でこんなことなっとるん」
「、、むぐっ」
盛「むぐっ、ちゃうねん!はよ言えて!!」
賢「まあまあ、盛山。」
「、、」
賢「A話したないならええねんけどね。俺らも結構ショック受けとったから、びっくりしてるんよ」
詰め寄る俺たちを止める、優しい先輩の口調。
、、その余裕はなんかずるいわ。
「すみません、、」
賢「いやいやそんなんええんよ。Aが謝ることやないから」
「、、書類は、書きに行ったんですよ。ほんまに」
リ「じゃあなんでここにおるん」
「とりあえず芸人辞めるんはわかった、って」
リ「、、辞めとるんや」
「、、、そのかわり劇場スタッフやっとけって言われた」
盛「はあ?!そんなん聞いたことないで」
「さすがに、、同情してるんやと思う。私に。」
賢「まあ状況が状況やからね、、」
水「人間らしさ残っててんな、吉本にも」
「あと、、」
賢「あと?」
「、、、お前を世に放ったらやばいから、、、って」
リ「ふはっ、なんやそれ」
苦虫を噛んだような顔をしながら
そんなことを言うもんやから、
思わず声を出して笑ってしまった。
盛「え?なに?どういうこと?!」
「、、どうせ水商売やって、堕ちていくのが目に見えてるって」
リ「間違いなさすぎるな」
水「よー見てんねんな、社員のこと。見直したわ。」
「めっちゃ真面目な顔して言われて、ツッコめんかった。悔しい。」
賢「それ言われてる状況めっちゃくちゃおもろいやん」
「訃報で辞職した元芸人が堕ちていくのは、会社のイメージ的に問題やからって」
水「生々しいなあ」
「とりあえず芸人辞めてええけど人間やめんな、って」
盛「お前の悪名どこまで回ってんねん!」
賢「うまいこと言いはるなあ」
すっかり和んだ空気。
でも、一つの疑問点。
リ「、、なんでそれ言うてくれんかったん」
「、、いやアホか。普通にはずいやろ。」
Aらしい、アホみたいな理由。
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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時