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no side
『え?ジェイムズさん日本に来てるんですか?』
«ああ。赤井君と現地調査をするためにな。»
『なるほど……』
花園とのいざこざがあった翌日、
駿東宛にジェイムズから電話が掛かってきた。
日本に来たので顔を見て話したい、との事。
«忙しいようなら構わないんだが……»
「駿東!明日の示談の事だが第一会議室で……
すまん、電話中だったか。」
『いえ、大丈夫です!ありがとうございます。』
後ろから声をかけたのは鬼塚。
携帯電話だったため電話中だと気付かなかったのだ。
«今の声は……警察学校の先生、か?
それに示談と聞こえたが……»
『え、あ、えーっと……それは……』
«A君、声の方と代わりなさい。»
『はい……』
ピシッと言われた駿東は
去りかけていた鬼塚を呼び止める。
『あの……保護者、と言いますか……その……
電話を代わってくれ、と……』
「む?」
携帯電話を受け取り耳に当てた鬼塚は、
何を言われたのか額に汗を浮かべる。
時折、謝罪も混ぜて会話が進んでいくのを見て
駿東は諦めたように天井を見ていた。
「──────分かりました。お待ちしております。
はい、では駿東に代わりますので……」
そう言って返された携帯電話。
耳に当てれば変わらずジェイムズの声。
「A君、そのような事があったなら
迷わず我々に報告しなさい。良いね?」
『ハイ……』
「では、また明日。」
『えっ、あ、ちょ……!』
プツンと切れた電話の画面を眺める駿東。
「……明日の正午、第一会議室に来るように。」
『は、はい……』
去って行く鬼塚の背中を見て、
駿東は明日何が起きるか静かに悟った。
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日付は変わって翌日。
昼前に警察学校へ来客があった。
「A君、久しぶりだな。」
『(やっぱり……)お久しぶりですジェイムズさん。』
「お待ちしておりました。
教場を担当しております鬼塚八蔵です。
この度は我々の不注意でこのような事になってしまい
大変申し訳ありません。」
「いえいえ……顔を上げてください、オニヅカ殿。
学生同士の揉め事などそう簡単に気付けませんから。」
苦笑いで促すジェイムズ。
鬼塚は申し訳なさそうに会議室へ先導を始めた。
「こちらです。」
会議室には花園とその親が座って待っていた。
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沙羅(プロフ) - イル@iruさん» コメントありがとうございます!そう言って貰えて本当に嬉しいです…!!警察学校組の放送開始に合わせてバリバリ更新するつもりなので、どうぞ今後ともよろしくお願いしますー!! (2021年12月5日 16時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
イル@iru - コメント失礼します!面白すぎて一気に読んでしまいました。これから夢主がどうなるか続きが気になります!更新頑張ってください!!! (2021年12月5日 15時) (レス) @page35 id: 9f7598e3df (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 神崎さん» コメントありがとうございます!!ゆっくり更新になってしまいますが、全力で書かせて頂きますー!!どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 凄く面白いです!!続き楽しみにしてます! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - かるーあ・みるくさん» コメントありがとうございます!!またお会い出来て嬉しいです!!まだまだ続きますので、どうぞよろしくお願いしますー! (2021年7月14日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2021年7月13日 15時