警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side




「……Aが班員のペースを考えずに進むなんて
ないと思う。」


「オレもそう思う。「遅い」なんて言うかな？」


「なぁ……駿東がいなくなった事に気付いたあと、
周囲を捜したって言ってたよな？
それで"異常は無かった"んだったよな？」




伊達の質問に山田と吉崎が頷く。




「……お前らが駿東を見つけた時、周囲に異常は？」


「崖の中腹が崩れてたぜ。
結構デカかったから上から見えたんじゃねぇか？」


「じゃあその時点で１つ、嘘があるワケだ。
暗くて見えなかったと奴らが言う可能性もあるがな。」




あと、と萩原が口を開く。




「実は俺たち山小屋をちょっと調べたんだけど……
足跡の数が不自然だったのと、
山小屋の裏に食料が約一人分、捨てられてた。」


「足跡？」


「５種類の足跡があったにはあったんだけど……
１種類だけ異常に少なかった。
しかもサイズ的には女の子の足跡だ。」


「その足跡は他の足跡みたいに泥々じゃなくて、
泥より水分が多い……と言うか、足跡が薄かったよ。」


「まだ雨が降っている時の足跡だった……？」


「多分……」




頷く諸伏に降谷はふむ……と呟く。




「捨てられてた食料ってのは？」


「色が濃い何かの具みたいなのと……
パウチの袋には「MRE」って書いてあった。
英語で書かれてたぞ。」


「「絶対A／ちゃんの物だ……」」




降谷と諸伏が声を揃える。




「そういえばAが準備してる時に
説明が英語で書かれた袋を持ってたような……？」


「えっと……「MRE」？って、何？」




山田と吉崎が首を傾げる。




「「MRE」っていうのは
「Meal(ﾐｰﾙ) Ready(ﾚﾃﾞｨ) to Eat(ﾄｩ ｲｰﾄ)」……つまり米軍用の携行食だ。」


「米軍用……」

「携行食……」


「Aちゃんのお気に入りなんだよね……
アメリカで食べたら美味しかったとか何とか……」


「MREは「美味しくない」って噂をよく聞くから
自主的に買う人は少ないだろうな。」




降谷と諸伏が思い出すように話す。




『みんな食べてみたら美味しいって分かるのにね。』


「「！？」」




不意に横から聞こえてきた声に
その場にいた全員が肩を揺らして視線を向ける。




『ふふふ、凄い顔。』


「「A〜！！」」


『やっちゃんよっちゃん、心配かけてごめんね。』


「ホントだよ！！おバカ！！」

「バカA！！」


『ひでぇや。』





そう言いつつも駿東は笑顔だった。

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