警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side




『う"ぅ……ん……』




空が白んできた頃、岩陰で動きがあった。
駿東だ。




『痛っ、』




起き上がった駿東は、真上にあった石に頭をぶつける。
駿東の頭上で石が上手い具合に空洞を作っていたのだ。

それを目視した瞬間、駿東は素早くそこから出る。
駿東が全身を出した時、石は崩れ落ちた。




『あっぶな……』




駿東は崩れた石を見て、崖の上を見る。
それから視線を自分の手のひらに向け、ホッと息を吐く。




『…………生きてた。視界、思考ともに異常なし……
あるのは全身の鈍痛と足首の痛み程度……
打ち身と捻挫ってところかな。奇跡か。すげぇや。
お腹空いた。』




クゥ、と鳴った腹に手を当てて駿東は立ち上がる。




『一緒に落ちてきた石が上手い具合に空洞になって
雨を防いでくれてたのか。
おかげで低体温症にはならなかったな……』




痛む右足首を庇いながら、駿東は辺りを見回る。




『登山道はこの崖の上……
雑木林の中だから人は来ないだろうな……
……この斜面は登れないな。さて……どうするか、』




駿東は生えていたある一本の木を見てニヤリと笑う。




『立ち枯れした木みっけ！！ツイてる！！
杉の枯葉もあるし…あ"っ！！リップクリーム！？！？
落としちゃったのかな！？使っちゃうねごめんね！！
おっと！？こっちには布！！何の！？まあ使うね！！』




割とテンション高めに見つけたものを集める駿東。
そして適当な穴を掘り、穴の中には小石を、
穴の周りには大きめの石を並べていく。




『小枝を並べて……枯葉も敷いて……っと。
リップクリームもボキッと折って布に包んでポイ。』




それで……、と駿東はいくつか石を吟味する。




『火打石に使えるかなコレ……とりあえず試すか……』





駿東は様々な種類の石を集めて石同士を叩き付ける。
ガツン、ガツンと音が響く。

何種類目かの石を打ち付けた時、小さく火花が飛んだ。




『お！いけそう……』




リップクリームを包んだ布に向けて石を叩き続ける。
飛び散った火花が布に触れて小さく火が着く。




『よし……！！』




息を吹きかけつつ杉の枯葉を寄せて
火種を大きくしていく駿東。

白っぽい煙が上がり、火が着いたと分かると
駿東はガッツポーズを決めた。




『リップクリームも着火剤になるって教えてくれた
ジェイムズさん本当にありがとう……！！』




駿東は両手を突き上げ、空に向かって叫んだ。

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