・ ページ31
no side
『花園さんは何しに
「は?もちろん警察になるためだけど?」
『何で警察になるために来てるのに
目立とうとか、モテたいとか考えてるの?』
「ッ……そっちこそいつも降谷くん達と一緒にいてさ、
それ、警察になるために必要なの?」
『一緒にいるのは友人だからだよ。他意は無い。
ちなみに降谷と諸伏は幼馴染ってだけ。』
土砂降りの崖下でも駿東は淡々と答える。
それが花園を
「ッ……でも!!アンタがそう思ってても!
他人の目にはそう映らないって言ってんの!!」
『そうだね。考え方は人それぞれだから仕方ない。
でも、それは事実を曲げていい理由にはならない。』
「ッ!!もういい……あんたなんて知らない!!
佐々木くん、戻ろ!」
「あ……」
花園が佐々木の腕を引き姿が見えなくなる。
駿東はしばらく上を見上げてから視線を戻した。
『……最後までカオナシかよ。
チッ……本気で冷えてきた。まずいな……』
崖の中腹では雨を遮る物は無い。
順調に体温を奪われていく。
駿東はポケットに入っているものは無いか確認する。
『……まぁ無いよなぁ!!全部リュックだもんなぁ!!』
たはーっ、と空を仰ぐ駿東。
レインコートを着てるのが幸いだ、とボヤいた。
『……さて、ふざけるのもここまでにしよう。
どうする私。
ここで救助を待つ?……救助は早くて明日の午後。
こんな状況で半日も待てば間違いなく低体温症で死ぬ。
崖を登る……のは無理だから降りる?
……下手に動けば危険。
でも待ってても危険なんだよなぁ……』
駿東は腕を組む。
頭が正常な判断をするうちに決めたい。
『……動こう。
確かこの下は登山道から外れてるから木ばっかり。
雨宿りくらいなら出来るかも。』
駿東は斜面に手を着いて、凹凸を探す。
不意に走った指先の痛みに顔を歪める。
暗闇で見えたのは妙に濃い黒。
指先から手のひらまで広がっている。
『……血、出てたのか……』
再び舌打ちをした駿東は軽く血を払ってから
凹凸を探し出した。
『ん……ここと、これで……ッ!』
掴んだ出っ張りがボコリと音を立てて落ちる。
雨で土が緩んだようだった。
『……こっちなら……げっ、』
違うところを掴んだものの、また音を立てて落ちる。
さすがにまずいと駿東の額を冷や汗が伝った。
1900人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅(プロフ) - イル@iruさん» コメントありがとうございます!そう言って貰えて本当に嬉しいです…!!警察学校組の放送開始に合わせてバリバリ更新するつもりなので、どうぞ今後ともよろしくお願いしますー!! (2021年12月5日 16時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
イル@iru - コメント失礼します!面白すぎて一気に読んでしまいました。これから夢主がどうなるか続きが気になります!更新頑張ってください!!! (2021年12月5日 15時) (レス) @page35 id: 9f7598e3df (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 神崎さん» コメントありがとうございます!!ゆっくり更新になってしまいますが、全力で書かせて頂きますー!!どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 凄く面白いです!!続き楽しみにしてます! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - かるーあ・みるくさん» コメントありがとうございます!!またお会い出来て嬉しいです!!まだまだ続きますので、どうぞよろしくお願いしますー! (2021年7月14日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沙羅 | 作成日時:2021年7月13日 15時