警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side





「お、落ち、落ちる……！！」


『ｯ……(雨で手が滑る……！)』




体が傾いたままの２人。
駿東は歯を食いしばる。それから小さく舌打ちをした。





『悪いけど救助呼んで。』





グイッと駿東は強く腕を引く。
クルリと２人の位置が入れ替わる。




「あっ……」




佐々木が両足をしっかり地面に着けた時、
駿東は全身を空中に投げ出していた。





駿東は空中で身を捻り、両手を崖の斜面に伸ばす。
ガリガリと痛々しい音が雨音の中で響く。

なんとか崖の中腹で出っ張りに着地した駿東は、
上を見上げてやはり登れないことを悟る。





『佐々木君！！怪我は無い！？』


「あ……あ……」


『カオナシかよ。
無事なら良い！！
ちょっと登れないからロープか救助を……ｯ！』





駿東は目を見開く。
なぜなら佐々木の横から花園が顔を覗かせたから。





『愛華ちゃん！ロープとか無いかな！』


「ないよ。」


『！
……じゃあ、教官に連絡を……』


「やぁだ。」


『……は？』


「やだこわ〜い。
だからさ、Aちゃんを助ける気は無いよ。」


『……どういう事？』





上から響く愉快そうな笑い声に駿東は眉根を寄せる。





「そのままだよ？
Aちゃんは助けない。ここでさようなら。」


『……』





何で、そう言おうとして駿東は止まる。
"彼女は最初から自分のことを友達として見ていない"。

知りたくなかった、気付きたくなかった。
信じようと思っていたのに。

あの目を向けられてから心のどこかでは覚悟していた。
それでもやっぱり明らかな態度を取られれば悲しくて。
駿東は一呼吸おいて、肩を竦めながら花園たちを見る。





『……そう。それで、ああ……なるほどね。
佐々木君たちはグルだったワケだ。』


「大正解！
告白の返事も貰えず、悲しんでた佐々木くんに
ちょっとしたアドバイスしたら協力してくれたの。」


『……尻軽女(ビッチ)の出処はお前かよ。』





吐き捨てるように呟く駿東。
花園の横に並ぶ佐々木はほぼ放心状態だ。




『……佐々木君が私を恨んでたのは分かった。
じゃあ花園さんは？どうしてこんな事するの？』


「そんなの目障りだからに決まってるでしょ。
アンタがいるせいで私は目立てない。
大して可愛くもないのに男子にチヤホヤされてさ？
本っ当にムカつく。邪魔なの。」


『はぁ……』





駿東は呆れた、と言うように息を吐いた。

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