警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side




「それは父と母と３人で夕食を食べていた
夜７時頃にやって来た……
けたたましい呼び鈴と共に……

その来訪者の男は父と知り合いだったらしく……
最初は玄関で穏やかに会話する声が
台所にいるオレに聞こえていたけど……

その内、男が声を荒らげ始め……
母が玄関に様子を見に行った途端……

「うがぁぁ」と父のうめき声がして……
血相を変えて戻ってきた母がオレに言ったんだ……」




諸伏はその日を思い出しながら話していく。
そして自分は押し入れに入れられたのだ、と。




「オレを押し入れの中に入れた母が……
今度はその男と言い争っていたけど……
やがてその母の声も聞こえなくなり……

鉄の匂いが立ち籠め始めた……
押し入れにいるオレにも匂うぐらいに……」


「さっきから鉄って何だよ？」




思わず尋ねる萩原に駿東と降谷が反応する。




『血の匂いだね。』


「赤血球のヘモグロビンの主成分は鉄だから……」


「なるほど……」


「んで？その後は？」




続きを促す松田に諸伏は
歌が聞こえた、と話を続ける。




「歌だと！？」


「ああ……父の声でも母の声でもない……
甲高い作ったような猫なで声で……
リズムにのせて繰り返し繰り返し同じフレーズを…

だ、だから恐る恐る……
押し入れの隙間から覗いたら……


血まみれの包丁を手にした男が口遊んでいたんだ…
「もおいいよ〜 ♪出ておいで〜 ♬」って……」





諸伏は怯えた顔をする。




「でも何でその男は景を捜していたんだ？」


「いや……捜してたのはオレじゃないよ……
「出ておいで」の後に女の子の名を呼んでたから……

そう……オレが子供の頃よく遊んだ女の子……
昨夜、捜索願が出された女の子にそっくりな
「有里(ゆり)」って子の名を！！」





伊達や降谷になぜ諸伏の家なのか、
苗字はなんなのか、そう尋ねられるも
当時小学一年生の諸伏は覚えているはずもない。




「顔は見なかったけど、
肩の刺青は見たんだよな？」


「ああ……その男血で足をとられた様でオレが
隠れてた押し入れに体ごとぶつかったんだけど……

その男が押し入れから離れる時に一瞬見えたんだ…
その男の肩にある……ゴブレットの様な刺青(ﾀﾄｩｰ)が！！」


『本当にその刺青は肩にあったんだよね？』


「間違いないよ！」





駿東に尋ねられた諸伏は勢いよく頷いた。
肩を押さえてから血で見えなくなったから、と。

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