警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side





『何で私が……』


「まあまあ……」


『っていうか何？男子って風呂使うの下手なの？？
何でこんなに泥だらけになるの？？？
床はまだしも壁って何？？』


「何かごめんねAちゃん……」




「やべぇぞ。駿東が初めて見るくらい毒舌だ。」


「相当荒れてんね。」


「一通り吐き出せば大人しくなるから大丈夫だ。」





ガシガシと壁を磨く駿東。
ちなみに諸伏が適度に宥めている事で
爆発していないと言っても過言ではない。





「風呂場はまだこんなに汚れてんのに……
脱衣所は……ほぼ手つかず……」





松田が手を止め、気だるげに辺りを見回す。




「このままチンタラやってたら……
マジでやべーんじゃね？
もっとテンション上がる話をしながらやらねーか？」


「テンションねぇ……

そういえば諸伏ちゃん……
さっき見てた捜索願の女の子……
何かあんじゃねーの？」


「え？」




萩原がデッキブラシを持つ諸伏を見上げる。




「確かに……
街で見かけただけであの反応はおかしいだろ？」


「あ、ああ……あの子……
子供の頃よく遊んでた女の子にそっくりで……
まあその子は病気で亡くなったんだけど……
気になる事が……」



「幼なじみって事は、
僕やAもその女の子に会った事があるのか？」


「いや……長野にいた頃だから……」




どことなく歯切れが悪く話す諸伏だが、
お構い無しに松田が面白そうだ、と声を上げる。




「話してみろよその話！」


「何でも聞くよォ！」


「じ……実は……」





そう言ってすぐ、諸伏はサッと顔を青ざめさせる。





「あ……でも……
全然面白い話じゃないから……」


『……』





駿東が僅かに目を細めるのを諸伏は気付かない。
が、





「あーもう！止めだ止め！！」





松田が大きな声を上げた。





「諸伏が自分から言い出すまで待ってくれって
零が言うから……遠慮してたけど……
やってらんねーぜ！！

お前 自分の親父と母ちゃんを殺した犯人を
探してんだろ！？」


「ええっ！？」


「んで、さっきの捜索願の女の子が、
その事件と関係ありそうでモヤってる……
違うか！？」





詰め寄られた諸伏は
目を白黒させながらも頷く。





「そ、そう……そうなんだけど……ダメだ！！
これは俺が解決しなきゃならない事件……
もう誰も巻き込みたくないんだ……
また誰かが死んだりしたら……」





諸伏がそこまで言った時、
パチンと乾いた音が風呂場に響いた。

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