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no side





クォ、と運転席側のタイヤが浮き上がる。
萩原はその状態を維持して赤色灯を前方へ投げた。




助手席側のタイヤで赤色灯を踏めば
勢いそのままに車が宙を舞う。





『(ひぇぇ……えらいこっちゃ……)』





駿東は萩原に言われた通り座席に掴まり
車外へ飛び出す松田と降谷を見送る。





「着地するよ!」


『お、押忍!!』





ゴギャ、とガードレールに片側のタイヤが着地し
数メートル走行してから道路に戻る。

駿東はバクバクとうるさい心臓をなんとか抑え
ほう、と息を吐く。





『す、ごい……』





ホッとしたのも束の間、
駿東はハッとしたように前方に目をこらす。





『は、萩くん!この先道路が途切れてる!』


「マジか!
降谷ちゃん急げ!もう道がない!!」





松田が車のバンパーを外してサイドブレーキを引かせ
老夫婦共に無事離脱。
残った降谷はトラックの運転席に入って行く。





「(だが急ブレーキをかけても
10tトラックが完全に停止するまでの距離は……
乗用車の約2倍……)」





トラックは着々と高速道路の切れ目へと
向かって行く。





「(今からブレーキをかけても…間に合わ……)」






そこで萩原はハッと松田の言葉を思い出す。






「俺には元々…アクセルしか付いてねぇからよ…」






「アクセルだ!アクセルしかねぇ…
踏めェ(ゼロ)!!!」






萩原が叫ぶ。
次の瞬間にはFDもトラックも道路を飛び出した。






「や……やべェ……届か……」





FDはなんとか反対側に着地したものの
トラックは真正面から思い切り突っ込む。





『零!!』





トラックは前転するように回転し
荷台を地面に擦って停止する。





萩原と共に外へ飛び出した駿東。
運転席部分に声をかけた。





『大丈夫!?』


「おい!?大丈夫か!?()……」





そんな2人の前に親指が立つ。





降谷が運転手を支えた状態で無事を合図した。





近くで見ていた萩原と駿東は勿論、
それが見えた伊達、諸伏、松田も親指を立てる。





「でも君のアドバイスは的確だったよ……
あれがなきゃ今頃は……」


「いや俺じゃなく……
アイツならそうするだろーなって……」





萩原はふと松田の方を向く。





「(まあたまにはアクセルを踏み込むのも……
悪くねぇか……)」






.


..


...






ちなみに警察学校に戻った後、
FDが大負傷しているのを鬼塚はまだ知らない。

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沙羅(プロフ) - イル@iruさん» コメントありがとうございます!そう言って貰えて本当に嬉しいです…!!警察学校組の放送開始に合わせてバリバリ更新するつもりなので、どうぞ今後ともよろしくお願いしますー!! (2021年12月5日 16時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
イル@iru - コメント失礼します!面白すぎて一気に読んでしまいました。これから夢主がどうなるか続きが気になります!更新頑張ってください!!! (2021年12月5日 15時) (レス) @page35 id: 9f7598e3df (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 神崎さん» コメントありがとうございます!!ゆっくり更新になってしまいますが、全力で書かせて頂きますー!!どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 凄く面白いです!!続き楽しみにしてます! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - かるーあ・みるくさん» コメントありがとうございます!!またお会い出来て嬉しいです!!まだまだ続きますので、どうぞよろしくお願いしますー! (2021年7月14日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2021年7月13日 15時

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