警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side





「……とりあえず寮に戻ろう。
戻ってから全員で話を聞く。良いな？」


『……うん。』




もう逃げられない、そう感じた駿東は頷く。
大人しく話そうと決めた。




「立てるか？……せっかく綺麗な格好をしてるのに
泥だらけじゃないか。」


『う……』


「髪の毛もボサボサになって……
あとコレ、Aのリップクリームだろ？」


『あ、ありがと……』





ポケットからリップクリームを取り出す降谷。
駿東は礼を言って受け取る。





「それにこんな袋小路に逃げ込むのは危険だぞ。
どうせ逃げるなら退路がある所を選んだ方が良い。」


『おお……？』





急なアドバイスに曖昧に頷く駿東。
気を付けます……？と首を傾げて返事をした。





「みんな心配していたから…しっかり謝るんだな。」


『え、』





路地を出る直前、呆れるように言う降谷に
駿東は目を見開く。





次の瞬間、駿東の頬は左右に大きく引っ張られた。





『い"ｯ……！？』


「こﾝの大バカ野郎！！
２２にもなって子どもみてぇに逃げやがって！！」




松田が頬を引っ張りながら怒鳴る。
額には汗がにじんでいた。




『いひゃそんひゃ(いやそんな)……！！』


「あ"！？
そうじゃねぇなら何だっつーんだよ！！

俺らの目の前で倒れたくせに何も言わねぇし
施設の話だって話濁して逃げたじゃねぇか！！
それで逃げてねぇって言えんのかよ！！」


『ｯ……！！』


「まぁまぁ陣平ちゃん……ここじゃあなんだしさ、
戻ってからゆっくり聞けばいいだろ？」


『ﾋｪｯ……』




松田の肩に手を置く萩原の顔は
笑顔だが笑顔じゃない。




「そうだな。ここじゃあ人目もあるしな。」


『はんひょー……！？』




頷く伊達。
流れるように駿東を見捨てた。




「ほら松田、Aちゃんの頬離して。」


『ｹﾞｯ……』


「ﾁｯ……」





妙に優しい諸伏の声に駿東は顔を引き攣らせる。
舌打ちと共に頬が解放されると
諸伏が駿東の前に立った。





「さ、帰ろうか？Aちゃん。」


『ﾋｨｨｯ……！！』





５人の中で一番恐ろしい笑顔の諸伏。
差し出された手を取らざるを得なかった。





『(助けて零……！！)』


「(自業自得だ。)」


『(これは怖すぎる！！！)』


「(景光は怒らせちゃ駄目だと忘れたのか？)」


『(そうでした……！！)』

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