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「A、最初は跡部財閥に挨拶しに行くよ。」


『分かった。』


「楽しみにしててね。」


『?』




謎の言葉に首を傾げるA。
なぜ跡部財閥と会うのを
楽しみにする必要があるのか。




「こんにちは、ミスター跡部。」




イリヤは跡部財閥のトップ……
つまり跡部景吾の親族である人物に頭を下げる。




「彼女が君の自慢の娘かい?」


「えぇ!A、おいで。」


『こんにちは。Aと申します。』


「君や景吾に聞いていた通りだ。
聡明そうなお嬢さんだね。」


『恐縮です。』




Aはドレスの裾をつまんで頭を下げる。




「元気そうじゃねーの。」


『!』




ふと頭上から聞こえた声にAは肩を揺らす。




「久しぶりだな、A。」


『け、いご……様、』


「アーン?敬称は要らねぇよ。今日は無礼講だ。」




ふふん、と目の前に立つのは跡部景吾。
彼もまた、このパーティーの参加者だった。




「A、驚いたかい?
景吾君とは滅多に会えないだろう?
せっかく幼馴染なんだからゆっくりしておいで。」


『え、』


「サプラーイズ。」


『いや、え?』


「行くぞA。」




サラリと手を引く跡部。
エスコートし慣れている。




『ちょっ、』


「大人しく着いてきな。
俺様が完璧なエスコートをしてやる。」




Aは抵抗することを諦め、
大人しく跡部の後に続いた。




「あっ!!跡部様よ!!」

「きゃーっ!!」




『うわぁ……』




どこからともなく現れた跡部の雌猫達。
Aの顔が嫌そうに歪む。




「悪いな。今日はフィアンセと過ごす予定だ。」


「きゃ〜!そうでしたの!」

「残念ですが、それなら仕方ありませんわ!」


『……は???』




フィアンセ、というとんでもない爆弾発言に
Aはギョッと跡部の顔を見る。




『お、おま、』


「行くぞ。」


『ッ……!!!』




再び手を引く跡部。
Aは今にも蹴り飛ばしそうな顔をして
歩き始めた。




『景吾……』


「何だ?」


『いつ私がフィアンセになったの?』


「5歳の頃だ。」


『嘘つけ。』


「ハッ、俺様が嘘をつくと思ってんのか?
指輪を渡しただろ?」


『……オモチャじゃん。』


「でも渡した。」


『子どもの約束だろーが。5歳とか時効だ時効。』




跡部の手を振り払おうとするA。
だが跡部は手を離さない。




どころか、さらに強く握ると壁際に押しやった。

・+続編のお知らせ→←第6話・幼馴染



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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

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