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時は進んで日曜日。

駅前で待ち合わせる幸村とA。





『幸村おはよう。』


「おはようA。……わ、」





ひらりと黒いスカートの裾が揺れて

胸元のリボンタイも楽しげに揺れる。





『オシャレ、してみたんだけど……変?』


「まさか。凄く似合ってるよ。……可愛い。」


『ッ!ほ、ほんと?良かった!
あ、幸村の私服もかっこいいね。センス良い〜』





幸村らしい落ち着いた私服に

Aも素直に褒める。





「ありがとう。あ……そうだ。
今日は行きたいところ決めて来たんだけど、」


『うん。どこでも良いよ。ちゃんと着いてく!』


「ふふ、じゃあさっそく行こうか。
まずはね……」






幸村もどこか楽しそうに歩き始める。

ちゃんと歩幅はAに合わせられていた。






「この植物園なんだけど……」


『こんな所あったんだ。来たことないや、』


「良かった。……Aと来たかったんだ、ここ。」


『え、』






優しく微笑む幸村に

驚いた様に少し目を見開くA。






「さ、行こうか。」


『あ、う、うん。』





さりげなく取られた手に

Aの頬はほんの少し赤く染まる。





「中学生2人です。」


『あ…お金……』


「良いよ。俺が連れて来てるんだから俺が払うよ。」


『でも……』


「A。」


『ハイ。アリガトウゴザイマス。』


「うん。ほら、行くよ。」






圧のある声で名を呼ばれAは礼を言う。

幸村は笑顔だが笑顔じゃなかった。(?)






さっそく入った植物園は色とりどりの花が咲き乱れ

まるで別世界の様だった。






『わぁ……あの花キレー!』


「本当だ……あ、下にちゃんと説明書きがあるよ。」


『へぇ……』






2人して花を覗き込み思わず触れた肩。

ハ、と顔を見合わせ吹き出した。





『ふ、ふふ……ごめん幸村。距離見てなかった。』


「いや、俺も見てなかった。ごめん。」





くすくすと上品に笑う幸村に

Aはほんの少しだけ見とれていた。





『……幸村って凄いよね。』


「え?」





Aは思わず呟いていた。

幸村も驚いた様にAを見る。





『え、あっ、声出てた……!?
あの……変な意味では無くて純粋に思って……!』


「そう?ありがとう。
それで、どこが凄いのか教えて欲しいな。」


『ええ……!?』





少し恥ずかしそうに目を泳がせたAは

花に視線を戻してポツポツと話し始めた。

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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

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