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《……賭けに負けただけなのに律儀だね。》


『互いの何かを代償にしてるんだから
ちゃんと勝敗は守らないといけないでしょ?』


《……それもそうだね。
そうだA、選んだ服を着て見せてよ。》


『え、』





画面の中で不二は楽しそうに笑う。

Aはしょうがない、と呟いて服を掴む。





『ちょっと待っててね。』


《うん。》





フレームアウトしたAは素早く着替え

再び画面の前に立つ。





『どうよ。』


《凄い似合ってる。何か意外。》


『意外?』


《Aも私服でスカート履くんだなって思った。
ズボン履いてるイメージ。》


『はは……あながち間違ってないよ。
スカートなんて数える程しか持ってないもん。』





Aは履いている黒いスカートの裾をつまむ。

上は白いブラウスで大人しめな服装だ。





《その格好を見たら幸村惚れちゃうかもね。》


『幸村にはもっといい人がいるよ。』


《そうかな?僕はA、好きだけど。》


『私も不二は良い奴だと思うよ。辛党仲間だし……』


《そうじゃないんだけど……
うーん……まぁいっか。それがAだもんね。》


『?』





首を傾げるAにクスッと笑った不二は

そろそろ夕飯だ、と告げる。

Aも礼を言って電話を切った。






『…………そこまで鈍感じゃないよ。』






火照った頬を扇ぎながら

のそのそと着替えを始めるA。





『みんな良い奴だからさ、友達でいたいんだよ。
特別扱いとか、無理でしょ……』





服をハンガーにかけたAは

封筒と林檎ジュースを入れたダンボールを抱え

財布を持って夕暮れの街に繰り出した。

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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

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