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『…………何してんの。』
「「「!!!」」」
イリヤの背後にゆらりと立つA。
片手には大きめの鍋を持っていた。
『…………父さん?』
目が笑っていない。
「アッ、いや、うん!皆とお話をね!そう!お話!」
『そのアルバムは何?』
「アゥ……ごめんなさい……」
『……料理運んで。』
「はい!!」
鍋を受け取るイリヤ。
幸村達も慌てて立ち上がるもAに制される。
『短時間だから簡単なのだけど……
ボルシチとビーフ・ストロガノフ、その他諸々。
主食は白米の方が食べやすいかな。あと紅茶。
緑茶が良ければあるから言ってね。
あ、あと
デザートも一応あるからね丸井。』
「何で俺……嬉しいけど……」
Aは1人ひとりの前に箸を置いていく。
怒っているせいか早口で無表情だ。
『……お箸買っておいて良かった。』
「もしかしてこの間まとめ買いしてたやつ?」
『そうそう。……幸村よく覚えてたね!』
「店員さんが驚いてたからね。」
『まあ中々いないよね。お箸まとめ買いする人。』
Aの機嫌が少し良くなったことに
全員が幸村に感謝した。
『……口に合うと良いけど。』
「美味そうじゃのぅ。」
「ロシア料理は食べる機会が少ないから楽しみだ。」
「Aの料理上手は評判だからな。
この場にいる誰も心配していない。」
『1人暮らししてる様なものだからね。
多少は料理も出来るようになるよ……』
少し恥ずかしそうに笑うA。
何人かは心臓の辺りをおさえた。
『……?ほら食べよ。お腹空いたでしょ?』
「「「いただきます!」」」
パチン、と手の合わさる音がして
元気な声が響いた。
ちなみにイリヤは落ち込んでいるが
故郷の料理に慰められていたそうな。
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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時