検索窓
今日:26 hit、昨日:2 hit、合計:27,946 hit

ページ31

.





「君達はAの小さい頃について知ってるかい?」


「無いどころか昔の話も聞かないのぅ……」


「アメリカに居たことは聞きましたが……」





イリヤはやっぱりか、と呟いて

何やらアルバムの様な物を取り出した。





「ふふふ…Aがマネージャーをやってる縁だ。
秘蔵写真を見せてあげよう……!
あ、Aには秘密だよ?ボコボコにされちゃう。」




イリヤがパッと開いたページには

少女が綺麗な服を着て花の咲く庭に座る写真。




「これは……」


「Aがロシアにいた頃の写真さ。
可愛いだろう?本当にお姫様みたいでねぇ……」




ペラリ、とめくられた次のページには

同じ少女が大きな犬の背中で寝ている写真。




「これもロシアにいた頃だね。
この子はシェパードのジャック。
警戒心が強いけどAには懐いていたなぁ。」


「2人とも仲が良さそうじゃ。」




再びめくられたページ。

今度はテニスラケットを抱えた少女の写真だった。





「あっ、」


「この頃からもうテニスしていたんですね。」


「英才教育というやつか……」





まだ幼稚園生くらいだろう。

小さな体で大きなラケットを抱えていた。





「メキメキ上達するもんだから
Aがもういいと言うまでやらせようと思ってね。

テニスの合宿に参加させれば首位で帰ってくるし、
小学生と戦わせれば圧勝してくるしで……
さすがに僕も妻も驚いたよ。」



「イリヤさんの才能を継いだんですね。」



「かもしれないね。
それから3年くらいして
僕の仕事の都合でアメリカに引越すことになって…

ストリートテニスに通い詰めたり
知り合いのプロ選手と練習したりしていてね。

Aってば小学4年生でU14に参加をしたのさ。
止めるべき……だったのかもしれないけど
せっかくならやってきなよってことでOKしたよ。
そしたら結果はどうだったと思う?」





イリヤの問いに立海メンバーは顔を見合わせる。

それから赤也が手を挙げた。





「負けちゃった、とかスか?」


「……そう思うよね。まだ9歳だもの。」


「……ってことは……」


「そう!!」





イリヤはバッと立ち上がって

次のページを開いて皆に見せる。





「堂々の1位!!優勝したのさ!!
あの時のスポーツ新聞は全て取ってあるよ!」


「おぉ……」





イリヤの迫力にさすがの立海メンバーも黙る。

とりあえず分かったのは

Aが凄いのと、イリヤは親バカという事だ。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
56人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。