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日曜日。
「A〜〜!!」
『お帰り父さん。』
「Oh......
『日本では日本語。
郷に入っては郷に従えって言うでしょ?』
「クールなAも可愛いよ!
それでそれで!?テニス部の子達はまだかい!?」
『恥ずかしいから落ち着いてね??
もうすぐで到着するってさ。ほら着替えて。』
「
『日本語!!』
「ごめん!!」
バタバタと部屋に駆け込むAの父
イリヤ・トルストイ。
ビシッと決めたスーツの割には
表情と態度はユルユルな親バカのようだ。
「A、この服で良いかな?」
部屋から出てきたイリヤは腕を広げてみせる。
白いシャツに青いパンツというシンプルな服だが
金髪碧眼の彼によく似合っていた。
『……良いんじゃない?』
「カッコイイ?」
『かっこいいかっこいい。』
「本当に?」
『…………しつこい男は嫌われるよ。』
「ごめん。でもパパには美しいママがいるから!
パパの奥さんはママだけだからね!」
『じゃあ挨拶して来ないとね。ほら、』
Aはイリヤの背中を押す。
向かう先は仏壇の置かれた和室だ。
.
「ただいま。中々帰れなくてごめんね。」
イリヤが仏壇に置かれた写真に話しかける。
Aはふっと微笑んで部屋から出る。
夫婦水入らず、といったところだ。
Aがリビングに戻って
イリヤの荷物を片付け終わった時
ちょうどインターホンが来客を報せる。
『いらっしゃい。』
「「お邪魔します!」」
『どうしたの?』
「高級住宅街なことに驚いてる。」
『ああ……大きい家が多いよね。この辺。』
「「Aの家も大概だけどね??」」
『えっ、』
Aは心外、といった顔をしながら
メンバーをリビングへ案内する。
「やぁ、いらっしゃい。
娘がいつもお世話になっているね。」
「「こんにちは!」」
「僕達の方こそAさんに助けられています。
とても頼りになるマネージャーです。」
幸村がペコリと頭を下げながら言う。
そんな様子に感心したイリヤ。
ちなみに外交モードである。
「そう言ってもらえて僕も父親として誇らしいよ。
君は……テニス部の部長さんかな?」
「幸村精市です。」
「幸村君か。ああ、皆くつろいでくれたまえ。
ほら、ソファに座って座って。」
イリヤは笑顔で手招きした。
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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時