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「ゲ……ゲームセット！
マッチ ウォンバイ水谷先輩！２−１！」
わあっ、とコート周辺が盛り上がる。
Aはラケットを丁寧に持って女テニの子に返す。
『……ごめん、ガット緩んじゃった。
修理代は払うから……いくらか後で教えて。』
「えっ……緩ん、え！？
わわっ！よくこれで打てたね水谷さん！！」
ガットはボヨボヨ、と効果音が付きそうな程に
とても使えたものじゃなかった。
Aの放つ威力に耐えきれなかったのだ。
『ごめん……』
「い、良いよ良いよ！凄い試合見せてもらったし！
こんなの気にしないで！」
『いや、払うから。』
「ひゃっ……は、はい……」
Aが詰め寄れば頬を染めるテニス部員。
迫力イケメンにやられた。
それからAは鈴木、田中、佐藤に向き直る。
『賭けは私の勝ちで良いよな。』
「「「……はい。」」」
『……いい
Aは軽く手を挙げコートを後にする。
その背中に佐藤達は謝罪をする。
「あ、あの……ごめんなさい！」
「勝手なこと言って、ほんとにごめんなさい！」
「ひどいことして、ごめんなさい！」
Aは驚いたように少し目を見開くと
クシャッと笑って頷いた。
『もう過ぎたことだから、気にしないで。』
その言葉に再びコート周辺が盛り上がる。
黄色い歓声が響き渡った。
『うぉっ……！？』
「Aっ！」
『うぉっ！？』
コートを出た瞬間、幸村達が走り寄る。
「テニスも上手いとは……驚いたぞ。」
「どこで習ったんだぃ？」
「やはりお父さんと練習を？」
「テニス部より上手いんじゃないか？」
「たまげたぜよ。」
「新しいデータが取れて満足だ。」
「A先ぱぁぁぁい！！
俺っ、最後の試合しか見れなかったっスけど！
めっちゃ凄かったっスね！？」
『お、おぉ……どうも……？
父さんとテニスやってたんだよ……うん。』
若干引き気味のAの肩を幸村が掴む。
「ほんっとにAは無茶ばかりだ。
どれだけ俺達が心配したと思ってるの？」
『……ごめん。
落とし前は自分でつけなきゃって思って。』
「俺達のマネージャーはAだけなんだよ。
それをちゃんと理解して欲しい。」
『……！うん、ごめん。でも……ありがとう。』
「ふふ、どういたしまして。さ、部活に戻ろう！」
幸村はAの手を引いて走り出した。
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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます！気まぐれ更新ですが頑張りますねー！ (2020年3月9日 14時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い！続き待ってます！ (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2017年6月13日 23時
