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『ッ……ジャッカルが追うのは反則!!』
「部長命令だから……ごめんな。」
『私なにか悪いことしたかなぁ!?!?』
うわぁぁん、と涙を流しながら
敷地内を駆け抜けるA。
『トレーニングって何のトレーニングなのさ……』
「さあ……」
『練習しろよ王者立海。』
立ち止まって肩で息をするAと
何ともなさそうな様子で立ち止まるジャッカル桑原。
ジリジリと距離をとるAの背後に
ゆらりと人影が現れる。
「A先輩みーつけた!」
『なっ……』
前にはジャッカル、後ろには切原赤也。
完全に逃げ場を失ったA。
『むむむ……』
Aは素早く左右の確認をすると
思い切り地面を蹴って右に跳んだ。
「逃がさないっスよ!」
赤也も同じく後を追うように走る。
どっちも劣らぬ速度だ。
『……あっ。トレーニングってこういう事か。』
そう呟いたかと思うと
Aは赤也に向き直り身を屈める。
「諦めたっスか?」
『ぜーんぜん?……ちと本気だすわ♡』
バチコン、とウインクを決めると
Aは物凄い速さで左右に動き始めた。
所謂、反復横跳びである。
「えっ……えぇっ!?」
『ほら、捕まえないの?』
「……っス!!」
Aのいる場所に手を伸ばす赤也。
だが既にそこにAはいない。
「残像……!?」
『桁違いの部員と過ごすうちに
なんか出来るようになったんだよね。』
「マネージャー……ッスよね?」
『マネージャーだよ。』
再び手を伸ばす赤也だが同じように手は空を切る。
Aは赤也の背後に回って囁いた。
『勝負は本気で……ね?』
「ッ!」
バッ、と赤也が振り向いた時には
Aの背中は遠くなっていた。
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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時