ep.2 ページ2
_
月日が経ち、最初は俺らとなるべく距離を取るようにしていた彼女もこっちがしつこく絡みにいくお陰で今では冗談も言い合える仲になった。
「らんらんってさマジで慎太郎とタメに見えないよなぁ、落ち着いてるし大人っぽい」
「やっぱり私って老けてますよね…」
樹の衣装の確認が済んだら次は俺の番、
「悪い風に捉えないでもらえる?俺褒めてんの!」
「なら素直に喜びますね…やったー」
「すっっごい棒読みだね」
けらけらと楽しそうに話す2人の隣で
俺はスマホを見つめ、モンスターを必死に倒す。
他のジェシー 高知 慎太郎 北斗はというと、そんな2人を見て「ほんとお前ら仲良いよな」「あんまり蘭ちゃんのこといじめんなよ」「池田さんいるだろ」とか余計なことばっかり言ってんだ。
誰かと楽しそうに話してる時間が
俺にとっては拷問なのに…
あれ、俺ってこんなに嫉妬とかするタイプだっけ
結構メンヘラじゃん。
「大我さん!お待たせしました」
「お、やっと俺の番か。待ちくたびれちゃった」
俺の心の中で飼ってるワンコが舌出して尻尾ぶんぶん回して喜んでるよ
「ごめんなさい、樹さんが何かと…」
「おい、聞こえてんぞ!」
「ごめんなさい、冗談です!」
「お前ら漫才でもしてんの?」なんて高知が言えば樹とAちゃんは目を合わせ、笑い出す。
"俺の番なんだから、樹の名前とか出さないで"
とか言ったら流石にキモいよな。
………
急に静かになった…?目線を上げれば
「ちょい、きょもどうした」
苦笑いを浮かべる慎太郎と目が合う。
何故かみんなの視線は俺に集まっていて
目の前にいるAちゃんは、
少し困ったような表情
え、待って…
まさか今の、声に出てた?
「え、やばい。俺なんか変なこと言った!?」
時すでに遅し。
「いや、何も言ってない聞いてない聞こえてない」
「ジェスそれは無理がある」
北斗がツッコめばジェシーの笑い声で気まずい空気が掻き消され、みんなも笑い出す。
「ちょっとドキっとしました」
俺にしか聞こえない声で呟く君、
なんだか色っぽくて俺の鼓動がうるさい
「大我さんが樹さんのこと大好きだから怒られるかと思いました」
…なるほど鈍感なんだ
「ううん違うよごめんね」
「良かった」と俺を見上げふわっと笑う
はぁ、もう無理っぽい…
君への気持ちが止まらなくなる。
106人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mey | 作成日時:2020年9月4日 22時