ずっと、もっと。 (ページ34)

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松田side

『もしかして海人さん、
Aさんのこと気付いてたりしますか？』

沈黙が流れ海人さんがゲームを終わらせる

ゆっくりとこちらに顔を向け少し寂しそうに微笑んだ

『…怜奈さんと付き合うことになったって
言った時、昔Aに＂うみと私は親友でしょ＂って
言われた時の俺と同じ顔してたから』

『…なるほど
そこで気持ち傾かなかったんですか？』

『そうだね、Aがいつから好きでいてくれたのか
分からないけど…何もかも遅かったよね』

その割に顔は寂しそうですけど、なんて
俺だけが知っていればいい事実は胸にしまう

＂滑稽で可哀想な女とはそういう気にならない？＂

＂…まさか、てかむしろ前からめっちゃタイプ＂

海人さんが帰った後、1人昨日のことを思い出す

タイプなのは間違いないけど、

サークルというあまりにも近すぎるコミュニティで
相手は合意の上とは言えお酒に酔っていて
しかも、その人の想い人の顔も知っている

どう考えても罪悪感しか湧かない状況たちに
さすがに昨日みたいなことはやめようと決めた直後、

＂会いたい＂

Aさんからきたその連絡と

海人さんから投下された事実に、

＂この人を守ってあげたい＂

そんな気持ちが湧き上がり
送られてきた住所へと走っていった