ずっと、もっと。 (ページ32)

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「怜奈さんと別れた」

うみが放ったその一言に必死に言葉を探す

「そっか、ありがとう連絡くれて」

音が漏れていたのか、
布団の中でスマホを持っていない方の手を
元太くんにそっと握られる

隣を見るとこちらを見ないまま、
握る手の力だけが強くなった

「理由、聞かないの？」

落ち込んでいるような、
いつも通りな気がするような、

感情が読めない声をしたうみが尋ねる

「んー…私からは聞かない。
うみが話したくなった時に話してくれたら嬉しい」

我ながら親友として100点満点の答えを出すのが
上手いなと自嘲気味に感心する

「…ありがと、Aにはちゃんと伝えたかった」

「…ごめん、もう寝るね」

一方的に切り、息を吐き出す

「おつかれさまです」

元太くんが握った手をそのまま引っ張り引き寄せる

「別れたんだって」

「うん」

「別れちゃったよ、」

「そうみたいですね」

「どう、したらいいんだろうね」

元太くんがぽんぽんとあやすように頭を撫でる

その優しさと突然やってきた状況に

訳もわからず涙が溢れた