ずっと、もっと。 (ページ29)

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「はい、今日はここまで」

教授のひと声でわらわらと教室の学生が動き出す

私も教室を出て友達と別れ生協へと向かう

「A！帰り？」

「うみ！同じ講義取ってたっけ？教室いた？」

「いや、サークル室でゲームしてた
帰るなら食堂で飯食おーよ」

うみの言葉に、
つくづく自分は間が悪いなと思いながら口を開く

「ごめん、この後予定あって！」

「そーなん？元太誘うかな～じゃあね」

…多分、それも断られると思う、
と心の中で呟きながら手を振る

大学の外に出ると
友達と話していたらしい元太くんが見え、合流する

「元太くん、おつかれ」

「おつかれさまです！
てか、俺との約束よかったのに」

目の前に出されるスマホには

＂A用事あるらしいんだよね～元太飯食お？＂

と、うみからのLINE。

「…いや、それはさすがに悪いよ。
先に元太くんと約束してたのには変わりないから」

「良くも悪くも真面目だね～
…今日さ、Aさんの家がいいな」

出会った時と同じ人懐っこい笑顔でいう元太くんに
しょうがないなぁと笑いかける

周りから見たら恋人に見えるのかな、なんて

馬鹿げたことが頭によぎった