0日目29 ページ30
一瞬、静寂がこの場を支配した。唐突な彼の言葉に衝撃を受けたのも理由であるが、同時に彼らの頭はその言葉の意味を、解を、自分で導き出していた。
「エゲツね〜って思ったけどガチで勝ちにいくならそれもあり、てかそっちのが絶対いいよね」
「ちなみに、具体的な方法は？」
「声を出すと周りに聞こえるかもしれないし……、全員目を瞑って、予め決めておいた番号を指で示してもらうのが一番確実かな」
「うん、方法はそれでいいとして、共有者が一人必要になるよね？」
「あ、僕共有者です」
戦略を練っている時にするりとカミングアウトをされ、他の三人が目を見開く。彼らの目には疑念が少なくない疑いの念がこもっていた。
「……流石に、今この時点じゃ信じられないんだけど」
「ええ、皆さんが、僕が共有者だという確信が持てないのは当然です。なので僕から提案させてください」
苦虫を噛み潰したような表情で孤爪が問えば、月島は試合中によく見せる実に裏のありそうな爽やかな笑顔でこう返した。
「まず、全員が揃ったら僕が、僕が共有者ではないと確信できる方は前に出てきてくださいと呼びかけます。そこで一人でも僕が共有者ではないと主張する人物が出てきたら、誰か一人に僕とその人物に残りの共有者が誰であるかを話させて、例の方法でそれが本当かどうかを確認すれば良いかと。この作戦を別の人が主軸になって続行するか、作戦自体を取りやめるかはおまかせします。一方で、まだ全員が揃ってる、役職が欠けている可能性が無いこの時点で誰もその主張をしなかったら、それが僕が共有者であるという証明になるはずです。その時は人狼を焙り出すためのその役を僕にやらせてください」
まるでひとつの発表を終えたかのように優雅に肩をすくめてみせる月島、彼の提案に誰も反論することは叶わなかった。
「やるじゃんメガネ小僧、うまいね」
「メガネ小僧……？」
角名の月島に対しての人称にスッキリした、それでいてどこか人を見下したような表情が崩れ眉間にシワが寄るが、お構いなしに角名は思いつく限りの反証を述べていく。
「考えられる狼側の行動としては、月島が共有者ではないと主張して、かつ誰が狼かも分からないんだから残りの共有者は誰にも教えられないってシラを切り通すとか？」
「確かに狼はまだ誰が何やるかとか一切話し合っていませんし、名前は言えませんよね、それで外したらそこで処刑決定……リスクが高すぎます」
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (
レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星を廻せ | 作成日時：2023年3月19日 7時
