【ハイキュー】思考するサバイバル【人狼ゲーム】 (ページ15)

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0日目14 ページ15

「二人ならワンチャンあるかなと思ったけど随分作りが頑丈なんだな」
「なんかこの建物全体的にそんな感じだよなー」
「壁も扉もあの台も大方調べ終わったし……、そろそろ次のとこ調べに行ったほうがいいかもな」
「だな」
　あちこちを探索していた彼らが集まり、足は自然と澤村たちのいる方へと向く。やがて合流した彼らはそのまま次の探索場所へと向かった。

「こりゃ、またなんというか……」
　感嘆混じりの声でそう呟いたのは青葉城西の主将、及川だった。
　場所は青葉城西の探索場所に割り当てられた二階フロアの一室、先程まで会議をしていた一階の法廷の、丁度真上の部屋にあたる。おおよそ階下の法廷とほぼ同じ広さのそこには、様々な形のソファや寝心地の良さそうなハンモックにローテーブルや勉強机など、ようは寛ぐのに最適な環境が種類ごとに固まっており、中には多種多様なゲーム機が置かれているスペースまで存在する。そして何より目を引いたのは円状の壁の半分以上を覆い尽くすほどの本棚で、コミックや小説、学術書に至るまでありとあらゆる書物がそこに収まっていた。冊子によればこの部屋は談話室と銘打たれており、確かにこんな状況でさえなければ、誰だってこの空間で存分に寛ぐことができるだろうと彼は思った。
「え、うわっ！なんだここすげぇな！！」
「え、え～～……、めっちゃ楽しそう……」
「どういう場所なんだよ、てかこの建物がなんなんだよ……」
　各々リアクションを口に出しながら及川の後に続いて青葉城西の面々が部屋を物珍しげに眺めながら入っていく。
「なに、テレビとかあんじゃん」
　花巻は入り口からほど近い場所にあるそれを見つけると真っ先に近付いてその周辺にリモコンが無いか見回す。その後から松川がキョロキョロと部屋を観察しながらテレビに向かう、彼が花巻のいる場所にたどり着いた頃にはリモコンは見つかっており、早速花巻は逸る気持ちでテレビの電源を入れた。
『──ということですが、コメンテイターの〇〇さん、いかがでしょうか』
『はい、えー、そちらに関しまして近年はずっと右肩上がりということでして、えー……』
「おし！テレビは普通に繋がるっぽいぞ！」
「良かった、これなら外の情報はある程度拾えそうだな」
　不安ばかりの中に差し込んだ一筋の希望に花巻は沸き立ち、周りに集まってきた面々も心なし顔を綻ばせる。