お前ら、全員集合。11 ページ11
.
ふと狗巻先輩は思い出したように顔を上げ、テーブルに乗っている例のプリンをじっと見つめた。
私が頭に疑問符を浮かべているところへ先輩は私を見て、やがて顔をくしゃりとさせて笑う。
「おかか、明太子?」
《このプリン、食べたい?》
『えっそりゃあ食べたいですけど‥‥』
「しゃけ」
《あげる》
『‥‥ぅえっ!?良いんですか!?』
思わず驚いて『このプリン貰っちゃいますよ!?』と先輩に詰め寄ればくすくす笑いながら頷かれた。え、まじですかパイセン。
‥‥いっ、いやだってさっきまで「このプリンが欲しければ‥‥」って言ってたのに。信用ならない。
『‥‥‥一応聞きますけど罠ですか』
「いくら!?ツナツナ!!」
《え!?違うよ、食べて良いよ!!》
『えぇー‥‥先輩前科があるからなぁ』
「たらこ、明太子、おかか」
《Aの同意無しに襲うようなことまだしてないから大丈夫》
『大丈夫の要素一ミリもかすって無いですけど』
因みに襲うとはどの語源でありますでしょうか‥‥(震え)。
あまりにも必死に先輩が言うので、なら食べても大丈夫かと私は頷いてプリンを有り難く頂いた。ついでにスプーンとお手拭きも貰った。ありがとうございます。
『‥‥‥!!こ、これは美味しいの四文字じゃスケールが違う程の美味しさ‥‥!!めちゃくちゃとろけますねこれ!!』
「しゃけ」
《良かった》
『‥‥?何で笑ってるんですか?』
「高菜、ツナツナ」
《ハムスターみたいで可愛いなって思って》
私はそれはもう猛烈にスプーンを動かしてプリンを口に運んだ。ヤバい美味しすぎるよプリン。やっぱりプリンて世界救える美味しさだよホント。
‥‥ふと、狗巻先輩がにこにこしながら私を見つめているのに気が付いて何か恥ずかしくなった。
「‥‥おかか」
《プリンついてる》
『え、嘘』
「明太子、ツナマヨ」
《今取ってあげるから待ってて》
狗巻先輩が私の頬に手を伸ばして、そっと付着していたプリンを指で拭い取った。お礼を言おうとした瞬間、私は固まった。
先輩があろうことか、指についたプリンをそっと口に入れたのだ。
「‥‥‥‥しゃけ、」
《‥‥‥あっま、》
その彼の悪戯っぽい、とろけるような笑顔といったら。あ、これ自分の顔面分かっててやられてるんでしょうか。
イケメンも行きすぎたら罪。
3399人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チョコ - デンジャラスステーキ食べてみたいかも、、、! (11月30日 16時) (レス) @page37 id: 98d136c84d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - デンジャラスステーキ 作者さんおにぎり語かんがえるのうまいですよね? (10月19日 20時) (レス) @page37 id: 1f0aa0eace (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - 更新待ってます…!!!まじでこの作品大好きです!!! (2022年12月18日 11時) (レス) @page37 id: 5775e80e82 (このIDを非表示/違反報告)
アワアワ - 棘の「デンジャラスステーキ」の所で吹き出しましたw最高に面白かったです!!更新頑張ってください! (2022年9月17日 9時) (レス) @page37 id: 2db5ff9399 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - 更新頑張ってください!!楽しみにしています! (2022年8月21日 21時) (レス) id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほしふる。 | 作成日時:2021年4月17日 18時