僕を好きだと言う泣き虫 sh7

会えないよね (9/16) ページ6

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『巨くん、登板日だもん会えないよね』

「いや、そうでもないと思うよ？」ほら

『え？』

16「Aさん、」

『巨くん！お疲れ様です！』

16「試合前に会えたらいいなって思ってたけど…会えてよかった、」

『あたしもだよ、巨くん今日は頑張ってね、スタンドから見てる』

16「うん、頑張ります」

9「巨〜！お前いつの間に〜！！！」

16「わっ、ギータさん、！？」

9「俺のAやぞー！！」

「だからギータのじゃないって、」

16「ギータさんあっちで呼ばれてますよ」

9「……絶対手出したらあかん！！」





後ろ向きで走りながらギータは呼ばれてる方へ向かった。胸をなでおろしながら巨は再びAと向き合った。きっと俺のことは空気としか思ってない。





16「Aさん、手貸して」

『？』はい

16「チームが勝てるように頑張ります」

『っ！』

「ちょっと、A、照れない、」

『だ、だって…』ごめん

16「大丈夫です、晃さんに勝てると思ってません」

「別にそーいうんじゃないけど」

16「じゃあ、Aさん、ありがとう」

『いいえ、応援してるね』

16「うん！」





無邪気に笑うAと落ち着いて笑う巨が手を振りあってわかれた。ああ、２人が付き合ってたらすごいお似合いだと思ってしまった。





『晃、今日もちゃんと見てるからね、頑張って』

「っ」

『え、何？』

「い、いや、今まで巨に目キラキラさせてたのにいきなりこっち見るから」

『照れたの？』

「うん、少し」

『ふふ、晃可愛いー』

「もー、そろそろ俺行かなきゃだから」

『あ、はい』そうだった

「A、」

『ん？』

「かっこいいとこ見せるから、見ててね」

『うん、頑張ってね』

「おう、」





さっき巨に見せていたキラキラした目を今度は俺に向けてくれて、俺はそれだけで頑張れるし自信になる。Aの力って本当不思議。





(巨くん！かっこよかった！)
9(おい！A！やっぱ浮気じゃろ！)

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