何で笑ってんの ページ45
.
着替えて晃の合図待ち。部屋からもういいよ、と合図が来たので晃の家へ向かう。晃の家に入ると、スーツ姿の晃が笑っていた。
「いい?」
『う、うん、』
かちゃりとリビングの扉が開かれた。目の前にいるあたしたちの両親は遅い!と言った後にあたしたちの格好を見てびっくりしていた。
「ど、どうしたの?」
「4人にお話があります、」
『…』
「Aと、結婚しようと思います」
正座をして、背筋をピンとして。晃は真っ直ぐ4人を見ていて、ああ、晃はいつのまにかこんなにしっかりしている人になっていた。
「本当に、Aを待たせてしまった。付き合って10年以上も経って、今更って本人は思ってるかもしれないけど」
『…』
「俺は、この人を幸せにしたいと思ってます」
『っ』
「だから、結婚、させてください」
『お願いします』
深々と頭を下げた晃に続いてあたしも頭を下げた。ああ、嬉しすぎて涙が出そうです。晃は本当にあたしのことをずっと考えていてくれた。
「…」
『…?』
しばらく返事を待っていたのだけど返ってこないので晃と顔を合わせて一緒に起き上がると。
「…なんで笑ってんの、」
『…不愉快、』
4人は顔を見合わせて笑っていて、あたしたちに気づくと堪えられなかったように吹き出す4人。は?一世一代のご挨拶だったんですけど。
「ごめんごめん、流石に今年は挨拶来るなって満場一致で予想してたら当たったから、」
「ごめん!笑っちゃった!」
『…何それ…、』
未だ笑いが覚めないまま、晃のお父さんなんて笑いすぎて涙出てるくらい大爆笑。いや、違う意味で泣けよ、と思いながら、それだけみんなのことを待たせたんだな、と実感する。
「晃、こんなわたしたちの子だけど、Aのことよろしくね、」
「もちろん、」
その後、両親たち4人に婚姻届を用意されていたと知るのはあと数分後。
(何で婚姻届?)
(どんだけ期待してたの)
213人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちか(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます!きゅんきゅんしましたかね?良かったです。結婚式や子どもが生まれた話など書いてほしいとのお話もいただいてますので検討中です◯ありがとうございました! (2019年2月24日 0時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
りりり - 更新を楽しみにしていた一読者です。ものすごくキュンキュンしながら読ませていただきました。家族となった2人のお話の続編も楽しみに待っております。 (2019年2月22日 12時) (レス) id: a5ef03bd84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いちか | 作成日時:2018年10月28日 20時