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▽ 13歳 ページ26

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「A、おはよ、」





中村晃、13歳。





『おはよ、』





松田A、13歳。





『今日も野球?』

「うん、そう、」

『そっか、頑張れ、』





中学2年の初夏。そろそろ制服も夏服かな、なんて思っている頃、俺たち幼馴染の関係が少し崩れていたのを、俺は気づいていなかった。





『ねえ、晃、』

「…は、」





今までずっと、あーちゃん、とAから呼ばれていたのに、突然名前で呼ばれたのだ。いつもあだ名だったのに、本当に突然。





『明日から朝待ってなくていいから、』

「…なんで、」

『何でも、』





突然すぎてわけもわからず、頭の中でハテナが渋滞していた。あれ?俺たち、なんか喧嘩したっけ?いや、喧嘩したって次の日には機嫌直って一緒に登校してたし。





『あ、じゃ、あたし行くね』





そそくさと走って行ったAが、数メートル先で誰かの横に止まった。肩を並べた相手が、同じクラスの男子のヨシキ。後で聞いた話、Aとヨシキは付き合ったらしい。





「おはよ、A」

『おはよ!』





あの笑顔、俺に向けられていたはずなのに。そう考えると、心の中がちくりと痛んだ。





(俺、Aのこと好きなんだ、)

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いちか(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます!きゅんきゅんしましたかね?良かったです。結婚式や子どもが生まれた話など書いてほしいとのお話もいただいてますので検討中です◯ありがとうございました! (2019年2月24日 0時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
りりり - 更新を楽しみにしていた一読者です。ものすごくキュンキュンしながら読ませていただきました。家族となった2人のお話の続編も楽しみに待っております。 (2019年2月22日 12時) (レス) id: a5ef03bd84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちか | 作成日時:2018年10月28日 20時

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