まことの恋

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ｰAside

A「慎くんは今いくつ？」

慎「今年21です。」

A「若いねぇ。」

慎「Aさんだって若いじゃないですか。」

A「私、来年で30だもん。」

慎「…結婚は？」

A「してないし、する予定もないけど。」

慎「え、彼氏とかいないんすか？」

A「いないいない、出会いが無いもん。」

慎「仕事場とか。」

A「弁護士って無駄にプライド高いエリートの集まりだからさ、付き合うと苦労するよ。
なんで俺よりお前の方が成績いいんだって理由の分かんないことで喧嘩になったことあるもん。」

慎「うわ…。」

A「慎くんは？」

慎「え？」

A「彼女。いないの？」

慎「いませんよ、そんなの。」

A「慎くん、モテるでしょ？」

慎「…そうでも、ないです。」

A「うっそだー、だって顔に書いてあるもん。
俺、モテます！って。」

慎「それこそ嘘でしょ。」

A「あ、バレた？」



グラスが空になると、慎くんはすぐに気付いてビールを注いでくれた。



A「ありがと。」

慎「…Aさん。」

A「ん？」



慎くんに顔を向けると、唇に柔らかいものが触れた。

…え。

呆然としている間に慎くんの顔が離れ、彼の親指が私の唇をなぞる。

酷く妖艶な顔つきに、胸がどきりと鳴った。



A「ま、慎くん？」

慎「好きです。」

A「はっ？」

慎「…初めて会ったときから、Aさんのことがずっと好きでした。」

A「え？」



頭が混乱する。

その間に、もう一度唇が重なった。

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